暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico21繋がるセカイ〜Cross Dimension〜
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髪、ツリ目で澄んだ水色の瞳、腰からは一対の白い翼を生やしている少女だ。その少女が少年と少女の腰の部分の衣服を引っ張って空を飛び、転移門を今まさに潜ろうとしていた。

氷結の融合騎(アイリ)!? お前、無事で――じゃない! 逃がすか!」

シュヴァリエルが白い少女の名を呼んだ。居住区の崩壊に巻き込まれ死んでしまったと思っていた少女の名を。アイリ。氷結の融合騎アイリ・フォン・セインテスト。かつての古代ベルカ時代にて、オーディンと名乗っていたルシリオンを主とした融合騎の少女だった。
ベルカ崩壊時よりずっと、もう1人の融合騎、炎熱の融合騎アギト・フォン・セインテストと共に行方知れずだった。ルシリオンは推測していた。2人は誰かの手に渡っているか、もしくは研究施設に捕らわれているのではないか、と。それは見事に当たっていた。アイリは捕まっていた。ロストロギア専門蒐集組織リンドヴルムに。

「わわっ、見つかった! アイリ、急げ、急げ! 逃げろ、逃げろ!」

一人称を自分の名前とすることは変わっていないアイリ。腰から生やす翼を精いっぱい羽ばたかせて転移門に入ろうとした。しかしそれより先にシュヴァリエルの手がアイリの翼に届いてしまった。

「きゃぅ!?・・・アイリの羽に触らないでって、昔からずっと言ってるよね、マイスター達の仇(シュヴァリエル)!!」

アイリがシュヴァリエルを睨みつける。それに構わず「戻れ!」とシュヴァリエルはアイリの翼を引っ張ったが、それがダメだった。その勢いでアイリが運んでいた2人の子供が彼女の手より離れ、転移門へと消えて行ったのだ。この時点で彼は責められないかもしれない。何せ2人の正体を知らないのだから。2人が消えたことで転移門の扉の閉まる速度が上がり、さらに消失速度もまた上がった。

「っく・・・! 来いっ!」

「痛い! 引っ張らないでって言ってるよね!」

「己ぇぇぇぇーーーーっっ!」

シュヴァリエルがアイリの翼を引っ張り、そのまま転移門へ進入。ヨルムンガンドの怒りの咆哮がアールヴヘイムに轟き渡る。こうしてシュヴァリエルとアイリもまた転移門を潜り先の知れない世界へと飛び、そして転移門ケリオンローフィティタは完全に消失した。

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