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魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico21繋がるセカイ〜Cross Dimension〜
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よく壁に叩きつけた。けほけほ、と咽る少女に、「化け物め。大人しく人間様の言うことを聞けばいいんだよ。俺たち人が使って初めて価値が出んだよ、“武器”ってのはなぁ!」爪先で蹴りを入れようとした。そこに・・・

「よせ」

若い男の声が室内に響いた。たったそれだけで3人の男は直立不動となり、僅かなりの冷や汗を流し始めた。彼ら3人が声の主に抱く感情は畏怖と敬意。そして恐怖。声の主が室内に入って来る。体格のいい青年だ。オリエンタルブルーの髪を逆立たせ、前開きのハイネックタンクトップ・レザーパンツ・ロングコートと言った衣服を纏っている。そしてワインレッドの瞳で男3人を睨みつけた。

「ソレらは貴重な存在なんだぞ。お前たちよりよっぽどな。少しは丁重に扱え、馬鹿が」

「「「申し訳ありません、シュヴァリエルさん」」」

「それに、連れて行くのはその子供(ターゲット)だけにしておけ、第9小隊・ドラゴンファング。・・・他のメンバーはどうした?」

「ベ、別行動中っす!」

「逃げた他のターゲットを追いかけてます!」

「追跡班は紳士な奴らばっかなんで大丈夫と思います!」

シュヴァリエルと呼ばれた青年に睨みつけられビシッと佇まいを直して答えるドラゴンファングのメンバー3人。ドラゴンファング。ロストロギア専門のコレクターであるミスター・リンドヴルムが有する、ロストロギアを蒐集するための実行部隊の1つだ。その証、ドラゴン、そして体のいずこかの部位名が 部隊名に入っている。
そしてシュヴァリエル。シュヴァリエル・ヘルヴォル・ヴァルキュリア。元・アースガルド同盟軍・“戦天使ヴァルキリー”の1体で、現在は“堕天使エグリゴリ”の風嵐系最強の1機。

「話は聞いていたな。俺たちリンドヴルムの目的はお前たちだ。人に似て、しかし非ざる者」

シュヴァリエルが少女に近付いてそう言うと、「ひぅ・・・!」少女は怯えて逃げ出した。男3人は「待て!」と追いかけようとしたが「ぐぁ!?」揃って転倒し、テーブルや椅子などに頭部をぶつけて気絶した。何故転んだのか。それは、「この子は渡さない!」少女の両親と思われる男性と女性が3人の足を引っかけたからだ。

「どうしてあの子を庇う?」

「俺たちが、あの子の親だからだ!」

シュヴァリエルの問いに男性が即答する。その声に反応したのか少女が「お父さん!」戻って来てしまった。女性が「早く逃げて!」と逃亡を促す。そこに、「お前たちは人間。その子は化け物。親子のわけがない」とシュヴァリエルが言い放った。

「黙りなさい! 血の繋がりが何! 人とそうでないからって何! そんな些細な事、私たち家族には関係ないのよ!」

女性がそう強く反論し、少女を突き飛ばすように家の奥――裏口でもあるのだろうか――へと追いやろ
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