黒の訪れ、黄の訪れ
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成長する事らしかった。
「新たなツインテイルズ、テイルイエローの誕生だな! おめでとう会長!!」
「はい! 有難うございます! 感激ですわ観束君っ! 尊、私ヒーローの第一歩を踏み出しましたわ!」
「ええ、本当に良かったですね、お嬢様」
素直に参事や感謝を述べる三人の傍で、何やら黒い物を漂わせる声とのんきに構えている声が届いてきた。
「トゥアール、大きくなってるじゃない……大きくなってるじゃないのよ!? 会長のおっぱい!」
「ええ、なってますねー。意外と大きくなってますね〜、これまた見事に」
自分よりは小さいからという余裕か、トゥアールの声には気だるさしか含まれていない。
幼女的な見た目ではなくなったから、心から落胆しているのだろうか。
まあ、それしか思いつかないが。
「私が試したときは失敗したのに! なんで!? なんで会長が成功するの!? 私と同じなのにぃッ!!」
「は? 同じ? 眩き天使である彼女と悪辣魔王でもまだ足りない愛香さんが同じ? そんな天地がひっくり返ったあああああっらぁげぼえっ!!」
概ね何時も通りなやり取りから察するに、黄色い三つ目のテイルブレスを愛香も一応試したらしい。
まあ、胸を極端に気にしている彼女の事だし、試さない方が無理というものだが……ラースが前言っていたように巨乳属性を受け入れる器が無い為、見事夢儚く散るという結果に終わったようだ。
諦めの悪い奴だとラースが珍しく楽しくなさげにブツブツ呟くのを、グラトニーは多少うざったそうに眼を細めながら受け流す。
……ツインテール部前の廊下を通っても誰も反応しないあたり、やはりトゥアールの手により、機密保持の為に何らかの防護策が取られているとみていい。
それでも用意された策を無効化して盗み聞きする、グラトニーのような例外も居るのだが、そんなことを想定しろと言う方が無理難題だ。
「お願い会長変わってえええええええぇぇぇっ!!! 青のブレスと黄色のブレスを取り替えてえええっ!!」
「あ、愛香!?」
「ね、ね!? ブルーにしましょ!? 会長ならきっと、いや絶対に合うわ! だから取り換えっこしましょう!?」
「津辺さん……」
「胸がいいならトゥアールのおっぱいあげるから! 待ってて、今千切るわ!」
「やめんかそんな物騒な事!?」
なんだか話がぶっ飛んできたが、介入する気はないのでグラトニーとラースは静かに聞いている。
もう表情に覇気が一遍も無いとしても。
「お願い、おねが―――お願いします譲って下さいいぃぃいいいっ!!」
「頭を床につけてまで欲しいのか!? なんだか見てられないぞここ最近のお前!」
「いいわ! どれだけ恥をかい
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