黒の訪れ、黄の訪れ
[8/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
何々”として加入し、第三の―――いや、あのヘンテコヘルムを合わせれば第四か。ともかく新たなツインテイルズとして報道される。
それだけだ」
『でもヨオ』
「なんだ」
『暇ダロ?』
「……言い返せない自分が憎い……!」
尾行すべきかこのまま帰るか二者択一なる狭間で揺れ、結局瀧馬の方が折れて会長の後に続く事となった。
『そんじャア―――“コネクトォ”!!』
「…………“コールズセンス”……」
えらく温度差のある変身台詞を叫びつぶやき、陰から人間形態となった状態のグラトニーが現れる。
この姿となればある程度は沈んだ感情が緩和されるも、やはり瀧眞側に引きずられて何処となくネガティブだ。
「気分良くない……お腹も空いた」
『はいハイ、飯はあとでナー。そんなことより尾行ヨ、尾行!』
「……ん」
左腕のタトゥー状となった部分がグニグニ蠢き、空気を吸い込んでは吐き出すという単純作業を繰り返し始める。
「……『風隠東風・序』」
加湿器のような緩やかさで噴出する空気に当てられ、グラトニーの姿が揺らめいていく……のだが、気配やら存在感が薄くなるだけで、姿そのものは消えない。
この “序” はいわば本家の簡易版であり、気配や存在感こそ薄くなるが、通常時でも何処となく違和感を覚えるのに、不審に思われ注視されるとバレる可能性が一気に引き上がる、有難味も利点も無い技なのだ。
それでも日常を生きる一般人たる生徒では見抜けないので、支障が無いかと言えばそうでもない。
『ツインテール部の部室まで行きゃあいいダロ。早速向かおうぜ相棒』
「うん」
以前盗み疑義した際に記憶した道順を行き、特に迷うことなく部室前へとたどり着いた。
そして、聴力を引き上げる為に意識を耳へと集中させるのと同時に、部室内でそれまでけたたましげに交わされていた言葉が途切れる。
「テイルオン!!」
そして数秒とたたず変身時のキーワードを叫ぶ会長の声が聞こえ、一瞬とも数十秒とも錯覚する静寂の後、おおお! と総二達の驚く声がまず聞こえてきた。
そして続いて耳に入ってくるのは、グラトニー、もとい瀧馬の聞きなれない声音だった。
「これが……私?」
しかしながら、口調や声に含まれる雰囲気はまさしく会長のモノであり、この大人びた女性の声が、会長の変身した姿の特徴をある程度グラトニーとラースに絞らせていた。
総二がテイルレッドになると幼女となって身長が縮む、愛香は認識撹乱装置とやらが無ければ見抜かれる可能性があるほどそのまんま。
そんな中で会長に起きた変化は、どうやら現外見年齢よりも
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ