第四章
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「あの子達の御飯はね」
「そのことね」
「ミルクもあげてるわね」
「それが駄目なの?」
「今日猫用のミルク買って来るわね」
「私達が飲むミルクじゃ駄目なの」
「そう、猫には猫のミルクがあるから」
だからだというのだ。
「それを買って来るから」
「ふうん、人間のミルクよりもなの」
「そうなの。猫のミルクの方がいいから」
「だからなのね」
「今日買って来るから」
それで、とだ。母は娘に優しい笑顔で話した。
「楽しみにしていてね」
「うん、それじゃあね」
そしてそのミルクを猫達にあげることをだ、ロリィは楽しみにすることにした。そして実際に学校から帰って猫達に御飯の時にそのミルクをあげた。
そうしたことをしながらだった、ロリィは猫達と一緒に暮らしていた。そのことを学校でも楽しく話したのだった。
「今朝ね、ハンゾウがね」
「あの白猫の?」
「あの娘が?」
「そうなの、起きたら枕元に来て」
そしてとだ、にこにことして話すのだった。
「起こしてきたのよ」
「へえ、今朝はなの」
「ハンゾウちゃんが起こしてきたのね」
「そうなの、それで起きたらフウマがね」
今度はこの猫がというのだ。
「足元に来て身体をスリスリさせてきて」
「御飯をせがんできて」
「大変だったのね」
「そうだったのよ、サイガはもう食器のところで待っていて」
「三匹でそれぞれそうだったのね」
「御飯催促してきたのね」
「そうなの、もう朝から大変だったわ」
笑顔での言葉である。
「いや、本当にね」
「大変っていう割にはね」
「そうよね」
「何かロリィって猫ちゃん達のお話する時は」
「その時はよね」
それこそというのだ。
「物凄く楽しそうで」
「心からね」
「いつもにこにことして言うし」
「とても幸せそうね」
「うん、何かね」
ロリィもだ、クラスメイト達の言葉にこう返した。
「あの子達が家に来てから」
「楽しくなった」
「そうなのね」
「これまでも楽しかったけれど」
それでもだというのだ。
「今はね」
「もっとなのね」
「もっと楽しいのね」
「これまで以上に」
「猫ちゃん達が来てから」
「あの子達がいるから」
それこそというのだ。
「私毎日がこれまでよりも楽しくなったの」
「実際にそうなのね」
「猫ちゃん達がお家に来てから」
「これまで以上になの」
「楽しくなったのね、毎日が」
「寂しい時や悲しい時はね」
いつも明るいロリィもそうなる時がある、親に怒られたり嫌なお客さんに会ったり友達と喧嘩したりして。だがそうした時もなのだ。
「けれどね」
「猫ちゃん達がなの」
「あの子達がなの」
「そう、そうした時はいつも傍に来てくれるから」
それで、というのだ
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