第二章
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「猫達が来れば」
「絶対にわかるわ」
「そうなの?」
「ああ、じゃあな」
「猫ちゃんを迎えましょう」
こうしてだった、両親は猫の為の餌や食器、それにトイレや砂を用意してだった。ロリィは猫を家に持ってきた。その猫は。
白と黒、それに白と黒のぶちのだった。三匹の猫だった。両親はその三匹の猫を見てまずは目を瞬かせた。
「ああ、三匹か」
「一匹じゃなかったのね」
「駄目?」
目を瞬かせた両親にだ、ロリィはきょとんとして返した。
「三匹だと」
「いや、いいよ」
「多くてもね」
それでもと返す両親だった。
「ただ、お父さんは一匹だと思っていたからね」
「お母さんもね」
「それでもな」
「別にいいわ」
三匹でもというのだ。
「それじゃあな」
「猫ちゃん達から色々と教えてもらうのよ」
「色々って」
「これからロリィがわかるよ」
「そうしたことがね」
両親は優しく笑ってこう言うだけだった、ロリィはその言葉の意味も笑顔のそれもわからなくてだった。ただ今はきょとんとするだけだった。
それで猫達と一緒に生活をはじめた、その猫達の名前は。
ロリィが決めた、その名前は。
白猫がハンゾウ、黒猫がフウマ、そしてぶち猫がサイガだった。両親はロリィが名付けたその名前を聞いて言った。
「ああ、忍者か」
「日本の忍者の名前ね」
「この前の忍者の映画が面白かったから」
それで、というのだ。
「この名前にしたの」
「忍者のか」
「その名前にしたのね」
「そうなの、いいかしら」
「ああ、忍者の名前でもな」
「面白いし」
「これはこれでな」
「いいんじゃないかしら」
両親も忍者を嫌っていない、それでこう答えるのだった。
「それじゃあな」
「名前も決めたし」
「ロリィが名付け親だぞ」
「そのことを忘れないでね」
「私がお母さんになったの?」
そう両親に言われてだ、ロリィは首を傾げさせて言った。
「今」
「そうだ、今な」
「ロリィはこの子達の親になったのよ」
「だからいいな」
「しっかりと面倒を見るのよ」
「うん、それじゃあね」
ロリィは持ち前の素直さで応えただけだった、そして。
猫達の世話を本格的にはじめた。具体的には御飯をあげてトイレの始末をした、だが猫達はその都度だった。
「ンニャアーーーー」
「ナアーーーー」
「あっ、もうそんな時間なの?」
ロリィは猫達が自分の足元に来たところで言った。見れば三匹の猫達はロリィの足元に来て身体をすり寄せて催促をしている。
「それじゃあね」
「ニャア」
猫達は一斉に鳴いてだ、ロリィに応えてだった。
そのうえでだ、ロリィはキッチンまで言って猫達に御飯をあげた。それはロリィが家にいる時はいつもだった。
朝の六時
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