第四章
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こう話してだった、二人はその次の日もだった。
ダ=ヴィンチが寝るのを待った、しかし。
彼はこの日も灯りを消さなかった、二人は朝になって唖然として言い合った。
「おい、三日だよ」
「三日完徹だよあのおっさん」
「どうなってるんだ、本当に」
「普通はないだろ」
「あのおっさん冗談抜きでどうなってるんだ」
「三日も徹夜して何してるんだ」
首を傾げさせるのだった、いい加減に。
それでだ、ブリオッティはスフォルツォに言った。
「じゃあな」
「諦めるか?」
「明日だよ」
こう言うのだった。
「明日また待とうな」
「今日が駄目ならか」
「明日だよ」
その日にというのだ。
「明日待とうな」
「それしかないか」
「そうだよ、明日待ってな」
そして、というのだ。
「明日も駄目ならな」
「また明日か」
「こうなってら維持だ、金はあるんだ」
二人は前の仕事の蓄えがあった、それで生活が出来ているからだった。
「まだ待ってな」
「おっさんの家から盗むか」
「絶対にな」
「そうだな、こうなったらな」
また言ったブリオッティだった。
「絶対に盗もうな」
「そうだな、俺達にも意地があるしな」
スフォルツォもだ、ブリオッティと同じ考えで頷いた。
「それならな」
「ああ、絶対に盗もうな」
「おっさんが寝た時に」
二人で誓い合ってだった、そして時を待った。だが。
一週間張り込んだ、しかし灯りが消えることはなかった。それでいい加減二人は訳がわからなくなって仲間達に言った。
「あのおっさん一週間寝てないんだぞ」
「一体どうなってるんだ」
「一週間寝なくて平気なのか?」
「普通起きていられなくなるだろ」
「昼にでも寝ないとな」
「普通に無理だろ」
「おい、一週間か」
仲間の一人も二人の言葉を聞いて言う。
「あのおっさん寝てないのか」
「朝も昼も起きてるってな」
「そのことも間違いない」
「おっさんの周りの話を聞いたらな」
「朝も昼も働いてるんだ」
「それでなんだよ」
夜も、というのだ。
「寝ないでな」
「ずっと仕事したり研究しているんだよ」
「本当にどうなってるんだ、一体」
「あのおっさん人間なのかよ」
「それならだよ」
仲間、先程一週間かと言った彼がだ、その目を鋭くさせて二人に言った。
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