第二章
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「それに権力者に媚びるのもな」
「処世術ってか」
「そう言うんだな」
「そうだよ」
まさにその通りだというのだ。
「だからいいんだよ」
「全く、御前って奴は」
「最低だな」
「本当にな」
同僚達はさらに嫌悪を出して言った。
「そんなことしてるとな」
「そのうち大変なことになるぞ」
「御前只でさえ評判悪いしな」
「あちこちから恨み買ってるからな」
記者という立場を利用して私腹を肥やししかも誹謗中傷と虚報記事の被害者が多いからだ。それでなのだ。
「本当にな」
「そのうちだよ」
「えらいことになるからな」
「その行いをあらためないとな」
「そんなのなるかよ」
エジリアーノは彼等の言葉に嘲笑で返した。
「俺は法律に守られてるしな」
「しかもカモラとかにはか」
「手を出してないからか」
「それに権力者にもな」
「手出ししていないからか」
「強い奴には俺は何もしないんだよ」
自分ではっきりと言った言葉だ。
「絶対にな」
「それでか」
「御前は安心だっていうんだな」
「カモラとか権力者には手を出さないから」
「それでか」
「世の中ってやつはな、そうなんだよ」
やはりだ、エジリアーノははっきりと言い切った。
「強い奴には逆らわない、媚びる」
「それがか」
「上手に生きるコツ」
「それだっていうんだな」
「そうさ、それで自分より弱い奴とか脛に傷持ってる奴とかな」
そうした相手には、というのだ。
「脅したり書いたりしてな」
「それでか」
「いじめてか」
「それでか」
「絞り取ったりするか」
「そうさ、だから俺はいつも金も女も酒も困ってないんだよ」
弱者や過去がある相手を攻撃しているからだというのだ。
「賢く生きてるからな」
「賢く、な」
「ずるく汚くじゃなくてか」
「賢くか」
「そう言うんだな」
「そうさ、だからあの教会も神父もな」
自分よりも弱い、そう見ているからだった。
「調べてだよ」
「それでか」
「弱み握ったりしてか」
「記事に書くこともして」
「それでか」
「ああ、書いて潰してやるかな」
笑みの下卑さがさらに増す、その醜悪な顔を見て同僚達はその顔をさらに顰めさせるのだがエジリアーノだけは気にしていない。
「そこからな」
「吐き出させるのかよ」
「金とかを」
「あそこに美人さんのシスターがいればな」
その時は、というのだ。
「そのシスターさん提供してもらうさ」
「シスターに手を出すっていうのかよ」
「御前幾ら何でもそれはな」
「おいおい、所詮人間だろ」
シスターといっても、というのだ。
「それだったらな」
「御前信仰もないのかよ」
「シスターは神と主と精霊にお仕えしてるんだぞ」
「そんな人もか」
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