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打たれた後で
第一章
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急をリーグ優勝だけやなくて日本一にも出来るだけのな」
 阪急は何度もリーグ優勝を果たした、だが。
 シリーズでは人類普遍の敵にして戦後日本の救い難い病理の象徴である巨人に敗れ続けている。それで言うのだ。
「巨人を倒してな」
「ですか、あいつはそれだけのピッチャーになってくれますか」
「その時には」
「そや、例え痛い目に遭ってもそうなってくれたらええ」
 西本はここでも確かな声で言った、そしてだった。
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