第三章
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「わかりました、マダム」
「それではまた」
名乗りを終えてだ、夫人は男爵に笑顔で言った。
「宜しくお願いします」
「それでは」
「またお会いしましょう」
夫人はこう言って男爵の前を後にした、この時はこれで終わった。だが男爵はその貰った扇を夫人が去った後に手にしてだ。
その香りを嗅いでだ、その強く甘い香りに魅せられた。そして夫人からも漂っていたその香りのことも思い出した。
数日その香りのことばかりを考えていた、それでだった。
タレーランと会った時にだ、男爵は彼に問うた。
「あの、ヴィンラボー男爵夫人ですが」
「あの方ですか」
「ご存知ですか」
「はい、私はこれでも顔が広いので」
実は宮廷で知らぬ者はない程だがここではこう言ったのだ。
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