第五章
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「見事だったわ」
「有り難うございます」
「それで走った後だから」
「だからですか」
「身体を冷やしたらいけないわ」
部長は横から倒れ込みそうになっているハンナの肩を抱いてこうも言った。
「だからね」
「それで、ですね」
「ジャージの下もはいてね」
「それで、ですね」
「シャワーを浴びましょう」
「わかりました、それで」
「ええ、そしてお家に帰って」
そして、というのだ。
「お風呂に入ってね」
「身体をほぐすんですね」
「そうしてね」
「わかりました」
ハンナは肩で息をしながらもだった、勝利を噛み締めていた。そしてだった。
後ろにいるローザを見た、ローザも自分の高校の部員達に囲まれて世話を受けていた。
そのローザを見てだ、ハンナは部長に言った。
「僕、勝ったんですね」
「ええ、そうよ」
「今回は、ですね」
「そう、今回はね」
「次はわからないですよね」
「そうね、今は勝ててもね」
今回はそうであってもとだ、部長も答える。
「次はわからないわ」
「そうですね」
「だから次に向けてね」
「またトレーニングですね」
「そして怪我をしない様にしてね」
「そうします」
ハンナは汗を自分のタオルで拭きつつ応えた、そしてだった。
今はシャワーを浴びて家に帰り風呂で身体を温めてほぐした。それからだった。
ハンナは競技から暫く後の連休に部長と一緒に保養地の温泉に行った、そこで風呂を楽しんだ。だがその野外の温泉でだった。
思わぬ者と会った、ハンナはその彼女と部長と共に湯舟の中で会った。それは誰かというと。
「えっ、君も!?」
「あら、暫く」
ローザだった、ローザも湯舟の中にいた。あの長い髪の毛は後ろで束ねて上にあげている。その彼女がだ。
ハンナを見てだ、笑顔で言って来た。
「貴女もここに来てたのね」
「どうして君が」
「私あの大会で貴女に負けて」
そして、とだ。ローザは湯を楽しみつつハンナに微笑んで言うのだった。
「考えたの」
「それはまさか」
「ええ、お風呂に入って」
そしてというのだ。
「身体を温めてほぐして疲れを取って」
「それじゃあ僕と同じじゃないか」
「そうだったのね」
「君も同じことをするんだ」
「色々と調べていてお風呂が身体にいいとわかったから」
それで、というのだ。
「お風呂に入る様にしたの、そして」
「わかるよ、次の大会ではだね」
「貴女に勝ってみせるわ」
「あら、これは厳しいわね」
部長もだ、ハンナに言って来た。
「強敵がさらにね」
「はい、強くなります」
「これはこれまで以上に頑張らないとね」
「駄目ですね」
「今度は負けないわ」
微笑みのままでだ、ローザはハンナにまた言って来た。
「覚
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