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EVANGELION ANIMA〜もう1つの可能性〜
四話 見知らぬ記憶
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を押すと急に室内が明るくなる。

「…!?」
そこには、吊るされた状態のエヴァの頭。それも10や20ではない。
「か、葛城さん…これは」
「エヴァンゲリオン零号機の試作品よ。10年前に破棄されたらしいけど。」
「約12年ほど前に碇ユイ博士が開発していたエヴァプロトタイプの簡単に言えば『失敗作』です。
大きいので一つ一つ処理するのも大変ですし、ここに固めて置いておいたら数が増えて処理できなくなったのでドグマの空いた此処に放置されていました」
付け足すようにマヤが説明する。
「確かに…これだけあれば、まだ使える部品がいくらか残ってそうですもんね」
エヴァの製作に使用されるボルトやバネなどの細かい部品は世界最先端技術の結晶。ここのエヴァにも勿論使用されている。1万2千枚の特殊装甲だけはどうにもならないが。

「……」
「どうしたの?マヤ」
マヤはずっとうつむいている。いや、エヴァから目を逸らしている。
ここにある失敗作のエヴァ達は全てコアの移植に失敗した『脱け殻』
【失敗した数=人の魂】 なのだ。
つまり何十人の魂がここで消えたのだ。そして、その魂が第壱中2ーAの生徒の母親だったりする。
そのことを既に知っているマヤは、エヴァを正面から見ることができなかった。

ちなみに、移植できずに残ったコアは別の場所で保管されている。
ミサトが知るのはもう少し後になるのだが…

ー再び司令室
「しかし葛城さん、なにも新しく造らなくたってエヴァを強化すれば済む話じゃないんですか?」
「そうっすよ。下にあるのもエヴァ専用の部品なんですし」
マコトとシゲルの言うことも間違っていない。
お金も時間もないのならゼロから造るのではなく、今あるものを強化したほうが良いに決まっている。
しかし、ミサトはエヴァの強化という意見に賛成しなかった。なぜなら、
「私は…あの子達にしっかりと『人』の道を歩んでほしいの…」
エヴァに乗って戦うことが当たり前になってしまったチルドレン。そのせいで、エヴァの中にしか自分の居場所を見いだせなかったアスカは一時期精神病に掛かった。
客観的にみるとカッコイイ英雄のように聞こえなくもないが、たった14歳の子供が人類を守る為戦場に出るなんてどうかしている。
NERVの職員の多くも子供を戦場に送り出すことに罪悪感を感じた筈だ。ミサト、マコト、マヤ、シゲルも例外じゃない。
「あの子達はエヴァに乗ることが自分の使命と考えている所かあるの。でもそれじゃいけないわ。その為にも子供を乗せなくてもいいようにしたいの」
今のミサトは、保護者ではなく『親』として2人の未来を考えている。
「「「…」」」
3人は過去を振り返った。
父親に呼び出されて半ば無理矢理エヴァに乗せられ、使徒の戦いで大切な人達をなくしたシンジ
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