第九幕その二
[8]前話 [2]次話
「少し急いだ方がいいわね」
「いえ、それは」
「いいの?」
「特に急ぐことはないです」
今の一行のペースで、というのです。
「このままでいいです」
「このままでぎりぎりなんですね」
「はい、ですから」
「焦ることはないのね」
「私達日の出と一緒に起きて夜まで進んでますよね」
食べる時間は入れていますが。
「殆どずっと進んでいますから」
「進んでいるのが早いのね」
「一日にかなり進んでいますよ」
「そういえばそうね」
恵理香もここで言いました。
「私達ってオズの国にいるとね」
「凄く歩くでしょ」
ナターシャがその恵理香に応えます。
「私達の世界にいる時よりも」
「ええ、ずっとね」
「車や自転車を使わなくてもね」
「一日で凄い距離を歩いているわね」
「大体一時間五キロ位で」
それで、とです。ナターシャはお話します。
「日の出が四時半でしょ」
オズの国はいつもこの時に日が昇ります。オズの国の朝は早いのです。
「それで七時まで歩くから」
「お日様が沈むまで」
「寝るのは九時だけれどね」
「大体出発が五時半だから」
「お昼に三十分程食べてね」
「その間殆ど歩いてるわね」
「だから相当進んでいるから」
毎日です。
「そんなに急がなくてもいいのよ」
「そうなのね」
「そうなの」
「だから結婚記念日まで間に合うのね」
「焦らないで行ってもぎりぎりでね」
そうなることをです、ナターシャは恵理香にもお話しました。
「だから安心していいわ」
「わかったわ、それじゃあね」
「ただね」
今度はカルロスが言いました。
「僕達お昼御飯を食べる時以外はいつも歩いてるけれど」
「そうそう、休まないでね」
「ずっと歩いてるよね」
ジョージと神宝もカルロスに続いて言います。
「お昼以外は」
「それこそずっと」
「それでもね」
「全然疲れないね」
「そう、足も痛くならないよ」
カルロスはそのことも言いました。
「全くね」
「そのことがね」
「今気付いたけれど」
「考えてみればね」
「凄いことだよね」
「あっ、そのことね」
三人の男の子達の疑問についてはです、ベッツイが答えました。
「オズの国の食べものに理由があるのよ」
「オズの国の、ですか」
「今僕達が食べている」
「その食べものに理由があるんですか」
「そうなの、オズの国の食べものはね」
それはどういったものかといいますと。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ