第九幕その一
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第九幕 クルマー達
一行は真実の池に向かいます、その途中でナターシャがアンに尋ねました。
「あの、アン王女は」
「私は?」
「ウーガブーの国は昔はオズの国の端にありましたよね」
「ええ、谷の中のね」
アンもこうナターシャに答えます。
「今も谷の中にあるけれど」
「すぐ傍が死の砂漠で」
「そこから先は行けなかったのよ」
「そうでしたね」
「だから余計に外の世界に行きたかったの」
「外の世界に」
「そうだったの、それが征服したいって気持ちにもなって」
王女はかつてウーガブーの軍隊を率いてオズの国を征服しようとしました、それが結果としてチクタクに会ったりノーム王と会ったりとなったのです。
「軍隊も編成したわね」
「そうでしたね」
「けれど今は違うわ」
「死の砂漠が大陸の海岸までいって」
「思い切り開けたのよ」
ウーガブーの国の周りが、というのです。
「それで谷の中に国があっても」
「もうオズの国の端にないんですね」
「大体。ウィンキーの北西部の真ん中かしら」
そこが今のウーガブーの国がある場所だというのです。
「いい場所にあるわ」
「それでお国の周りも」
「どんどん人が来てお家が建ってね」
「賑やかになったんですね」
「そうなの、その人達とも仲良くしてるわ」
アンはにこにことしてナターシャにお話しました。
「今はね」
「それはいいことですね」
「ウーガブーの国もいいところよ」
にこりと笑って言うアンでした。
「だから戻った時はね」
「その時はですね」
「楽しんでね」
そのウーガブーの国をというのです。
「是非」
「わかりました、その時も楽しみにしています」
「そうしてくると何よりよ。ただね」
「ただ?」
「真実の池に行ってね」
そして、というのです。
「ウーガブーの国に戻るとなると」
「あっ、時間が」
「かなりかかるわね」
「貴女達ジャムはあれよね」
「はい、ヘンリーおじさんとエムおばさんの結婚記念日へのプレゼントです」
「私が贈るのよ」
ここでベッツイも言います。
「その為にお願いしてるけれど」
「そうよね、結婚記念日ね」
「その時にまで間に合えばいいけれど」
「この調子でしたら」
どうかとです、ナターシャが旅にかかる時間と結婚記念日の日のことを頭の中で計算してから二人の王女に答えました。
「ぎりぎりですね」
「これから真実の池に行ってお花を摘んでウーガブーの国に行って」
「はい、エメラルドの都に戻るとなりますと」
「ぎりぎり結婚記念日に間に合うのね」
「そうなります」
こうベッツイにお話するのでした。
「本当にぎりぎりですけれど」
「わかったわ、それじゃあね」
ベッツイは
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