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食事をしながら
3部分:第三章
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第三章

「どうだ?ギロチンの刃も磨かれているぞ」
「生憎だがそこに行くのはだ」
「誰だというのだ?」
「ロベスピエールは多くの者をギロチン台に送った」
 その革命の話だった。革命が生み出した独裁者だ。ジャコバン派を率い多くの者、国王夫妻はおろかかつての同志達までギロチン台に送ってきた。清廉潔白かつ苛烈な独裁者であった。
「しかし最後はだ」
「自分が送られたな」
「ギロチンの刃は公平だ」
 今度はタレーランがシニカルに話した。
「誰であろうがその刃を見せる」
「では私もだというのか?」
 フーシェはタレーランの言葉に言い返した。
「その刃に斬られるというのか」
「どうかな。それは」
「生憎だが私は刃の行く先を常に見ている」
「常にか」
「だからそれはない」
 こうだ。フーシェは今度は平然として話した。
 今二人は食事を食べてはいない。その前の前哨戦という形だった。
「残念だったな」
「ふむ。それは私も同じだ」
「見ているものは賄賂と美女だけではないのだな」
 またシニカルなものを見せるフーシェだった。タレーランのその女性問題に賄賂を取るという話を彼自身に対してしてみせたのである。
「己の命も見ているか」
「貴殿は美女や財産には興味はないのか」
「ないな」
 あっさりとだ。タレーランに対して答えてみせたのだった。
「妻と子供達さえいればだ」
「そうか。無欲だな」
「私は少なくとも貪欲ではない」
「貪欲か」
「誰かの様にな」
「それはいいことだ」
 フーシェのそのことはよしとするのだった。しかしであった。
 タレーランはまた言ってみせた。あくまで引かない。
「多くの無実の者を義正にするのと同じだけな」
「あの街の粛清のことか」
「リヨンではどれだけ死んだか」
「一割程度だ」
 フーシェは素っ気無く答えてみせた。
「ほんのな」
「二千人も死んだというが」
「その程度か」
 まるで何でもないといった様子でだ。フーシェは答えてみせた。
「何ということもないな」
「二千、多くはないか」
「少ないな」
 やはりこう返すフーシェだった。
「革命ではどれだけ死んだか」
「そうだな。国王夫妻もな」
 ここでまた言うタレーランだった。表情を変えずにだ。
「助かった筈だがな」
「運命だ」
 フーシェはしれっとして述べた。
「自業自得と言っていい」
「処刑されたのはか」
「そうだ、自業自得だ」
 またこう言うフーシェだった。
「市民のことをないがしろにして贅を極め財政を破綻させたのだ。そうなっても自業自得でしかない」
「それが事実であればな」
「夫妻、とりわけ王妃の贅沢は偽りだというのか?」
「確かに贅沢だったのは事実だな」
 タレーランもそれは否定しなか
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