暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
案内人とのひと時
[2/5]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
別に、と返すリラを流し目で眺めながらレンは隣を歩く、自分と同じく
敏捷
(
AGI
)
値優先
能力構成
(
ビルド
)
のくせにかなりの量をストレージに入れてふぅふぅ言っているミナを見た。
「とりあえず、これからどうするの?」
「はぁ……ふぅ、ゲットしたアイテムとかを売り払うのが先決かな。必要なものとかとっておきたいものとかは引き抜いちゃってるから」
頷くレンとユウキの装いは、初期アバターに与えられるミリタリー・ファティーグでも、クエスト中に強引に変えさせられていたドレスコードでもない。
レンは全体的に黒っぽいファティーグとカーゴパンツで全身を覆い、足には多少大きめのタクティカルブーツが履かれている。
特筆すべきところは、首元にゴツい軍事ゴーグルを引っかけ、背に筒状の小さなバックパックを背負っているところだろうか。そこには現在、クエスト内でリーダーからブン獲った
散弾銃
(
ショットガン
)
がすっぽり収まり、
銃床
(
ストック
)
だけがまるで鞘から突き出る柄のように屹立している。
一方ユウキは、デジタル迷彩パターンがペイントされた
迷彩服
(
BDU
)
に身を包み、さらにその上から分厚いサバイバルベストを着用している。腰にはベルトで吊るした二丁の銃――――MP7とクリス・ヴェクターを下げていた。
小型艇の船倉に詰め込んだ多数のレアな装備品の数々の中から、運転していたミナと違って手持無沙汰なリラに見繕ってもらったものだ。さすがに得物くらいは自分で選んだが、しかしユウキはその二丁を早々に売り払うつもりらしい。どうしても肌に合わないのだとか。
「じゃあえーと、オークション?だっけ?そこで売るの?」
オークションというのは、その名の通りプレイヤー間での競売所のようなものだ。もともと法律の網の目を潜り抜けているようなGGOのことだ。それこそサーバー内に数丁しかないような激レア品は、
現金交換
(
リアルマネートレーディング
)
によって数十万とかの破格の値で取引されたことがあるらしい。
かなり自信のある答えだったのだが、しかし喘息を吐き出すミナは首を振った。
「お、オークションは時間かかりすぎるかもしれないから、多少金額は少なくなるけどNPC買い取りに任せることになったの」
「ま、何事も堅実が一番ってことねー」
「リラちゃんがそれを言うのッ!?」
喧々諤々の口喧嘩を繰り出す二人の少女は、しかし次の瞬間には何かに気が付いたように目を細めた。
気になってユウキともどもレンはその目線を追うと、その先には確かに目を引く容姿を持つアバターが歩いていた。
額の両側で結わえた細い房がアクセントになっている無造作なショートヘアを形作っているのは、さらさらと細く艶やかペールブルーの髪だ。
くっきりとした眉の下に、ある種の
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ