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マルコムの好物
1部分:第一章
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「問題は何を食べるかだが」
「何が好きなんだろうな」
「それがわからない」
「全くだ」
 彼の支持者達もそれが不思議だった。そんな彼であった。
 その支持者の一人である。ローズは背の高い黒人だ。髪はアフロにしていていつもラフな格好をしている。ニューヨークでタクシーの運転手をしている。
「俺はマルコムだよ」
 彼はいつもこう言っていた。
「黒人は戦うべきだよ。だからマルコムなんだよ」
 こう主張してだ。キング牧師よりマルコムを支持していた。彼はマルコムの熱狂的な支持者として仲間内では有名であった。
 その彼がだ。ニューヨークに来たマルコムの講演を聞いてだった。

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