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ムームー
第三章
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「暑いわ」
「そうでしょ、だからね」
「ムームーの方がいいのね」
「そもそも何でドレスばかりだったの?」
「いや、デザインが好きだから」
 それでとだ、ホクは母に答えた。
「それで着てるけれど」
「確かにデザインはいいけれど」
「ハワイにはっていうのね」
「合わないわよ」
 気候的にというのだ。
「だからね」
「そのドレスを着るよりも」
「こっちの方がずっといいのよ」
「ムームーの方がなのね」
「まあハワイ生まれで暑さに弱いのもあれだけれど」
「仕方ないじゃない、体質だから」
 このことについてはだ、ホクはハリアに冷静に返した。
「けれどとにかくね」
「ムームーならでしょ」
「ええ、着心地もいいし涼しいし」
「暑さは感じないでしょ」
「それに可愛いわね」
 身体をくるくると回転させてそのムームーをひらひらと動かせながらだ、ホクはこうしたことも言った。
「何か妖精みたい」
「あら、言うわね」
「ええ、この服ならね」
 それこそとも言うのだった。
「パーティーに出てもね」
「皆から好評よ」
「そうね、じゃあ行って来るわね」
 ムームーを着てそのパーティーにとだ、ホクは母に笑顔で応えた。
 そしてだ、実際にだった。
 ホクは母から貰ったそのムームーを着てだった。そうして。
 外のそのパーティーに出た、すると。
 皆目を丸くしてだ、ホクに言った。
「いいじゃない」
「似合ってるわよ」
「いつもポーティーの時はドレスだけれど」
「いい感じよ」
「可愛いじゃない」
「うん、ちょっと考えてね」 
 好評に気をよくしつつだ、ホクは友人達に笑顔で応えた。友人達はドレスもいればラフな服もいる。正装でない娘も多い。
「お母さんにこれどうって言われて」
「ムームーにしたの」
「そうなのね」
「そうなの、いやこれが着てみたら」
 実際にとだ、ホクは友人の一人が差し出した冷えたコーラを受け取りながら応えた。
「いい感じよ」
「そうよね、実は私もね」
 コーラを差し出した友人は白のドレスだ、しかしこうホクに言った。
「ムームー持っててね」
「着るのね」
「お家じゃね、けれどこうした時はね」
「あんたも私と同じよね」
「うん、ドレス派だから」
 パーティーの時はというのだ。
「今も着ているけれど」
「そうなのね、確かに私もね」
 ホクも自分のことを話した、そのよく冷えているコーラの味と冷たさを楽しみながら。
「ドレス派だったけれど」
「もう言葉が過去形になってるわよ」
「ええ、だってムームーいいから」
 着心地にデザインがというのだ。
「これからはこうした時はね」
「ムームー着るのね」
「そうしていきたいわ、冬だけじゃなくてね」
「夏もっていうのね」
「だ
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