竜の宝
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
さんについていく。谷の下に降り、しばらく歩くと何か洞窟が見えてくる。
「洞窟?」
「足元気をつけて」
シユウさんがそういって手を差し出す。俺はその手を握り、凸凹した洞窟の中を進んでいく。シユウさんは女の子だけに優しくする奴じゃないのか・・・ただの心優しいイケメンさんか・・・しかし・・・
「なるほど・・・こうやって女の子はエスコートするのか」ボソッ
「? 何か言った?」
「ううん。なんでもない」
俺は横に首を振り、返事をする。ただ今後のウェンディとの行動の時の参考にさせてもらうだけですので。
しばらく歩くと光が入ってきているところがあることに気づく。なんだ?
するとそこには今まで見たことのないような光景が広がっていた。
「ここは竜の巣だよ」
「竜の巣・・・?」
俺がその光景に見とれているとシユウさんが教えてくれる。
「村の人間はそう呼んでる」
俺は竜の巣の中を見て回る。それにしても・・・なんて神秘的なところなんだ。谷底にこんなところがあるなんて・・・お?
「すげぇ!水もきれいだ!!」
俺は湖になっているところにしゃがむと、その水に手を入れる。とても冷たくて、そして今までの水の中で一番きれいな水のような気がする。
水の滅竜魔導士である俺にはこの水がすごいいいものだということが一瞬でわかる。
俺はその水を眺めていると不意に視界にあるものが入る。それはドラゴンの骨・・・
「ドラゴン・・・?」
「驚いた?百年前に倒されたドラゴンの骨だよ」
「なるほど・・・それで竜の巣っていうのか」
いつのまにか隣に来ていたシユウさんが説明してくれる。
シユウさんは近くにある岩に腰かける。
「あれのおかげで村の人はここに近づかないから・・・一人になりたいときはたまに来るんだ」
「へぇ・・・」
確かに村の皆さんはドラゴンにひどく怯えていたからな・・・こんな物があったら近づこうとは思わないだろう。俺は少し疲れたのでシユウさんの隣に座る。するとその顔がとても暗いように見える・・・どうした?
「シユウさん?」
「・・・俺さぁ・・・両親をなくしてさ・・・まだこの村に来て一年もたってないんだ」
両親を・・・なくした?
「ご両親は・・・なんで・・・?」
「俺の住んでた街がさ・・・何者かに襲われて・・・俺以外みんな殺されちゃったんだ・・・」
シユウさんは辛そうな声で答える。やべぇ・・・嫌なこと思い出させたかな?
「す・・・すみません!!」
「ううん。気にしないで。村の人はみんな良くしてくれるけど・・・たまにそれがすごくさみしくなるんだ・・・
だからここに一人になりに来るんだ」
「・・・わかる気がするよ・・・」
「え?」
俺
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ