暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
GGO
〜銃声と硝煙の輪舞〜
逃走
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
この世界の銃って、つまるところ鉄の塊ってわけでしょ?」

「へ?う、うん。まあそうだね」

「重いんだよ、どれもこれも」

なーんか合わないんだよなー、と愚痴る少年に少女は同意の意を返す。

「あー、それなんかわかるかも。ボクの場合、やっぱり剣がいいかなぁ」

「あはは、さすが《絶剣》だね」

茶化すなとばかりに流し目を送るが、しかしそこは従弟。そんな視線などそれこそ空気のように受け流し、甲板の上でごろんと寝転がる。

マイやカグラ達といる時くらいしか仮想世界下で見る、安心しきった、ともすれば油断しきったかのようなそんな様子を《絶剣》と呼ばれた少女は少々意外そうな思いとともに見つめた。

「どしたの?らしくない」

「……んん?あぁ、ちょっと眠いだけ」

確かに、億劫げにこちらを見る目はどことなく眠そうだ。

昨日遅くまで起きてたんだろうか、と適当にくるくると考える少女は人差し指をおとがいに当てた。

シゲさんの屋敷に行ってからレンの様子はどことなく変だ。

GGOに来てからはとくに何も違和感も感じられなかったのだが、どこと言われると非常に困りそうなほどの小さな異常が少女に警鐘を鳴らす。小さなトゲが、嫌な角度で突き刺さる。

いや、と。

そこまで思ったところで、ユウキは考えを改めた。

そもそも、本当にシゲさんの話を聞いた時からなのか?この違和感は。

もっとずっと前。それこそ約一年前――――あのALO、いやそのもっと前。あの鋼鉄の魔城の最期から、ずっと――――

「…………き……ちゃん。……ユウキねーちゃん!」

「はッ!?ひゃいッ!!」

裏返った声で返事する少女の視界の中で、不思議そうに眼をしばたかせる少年の顔がドアップになっていた。

な、なにっ!?と返事を続かせるユウキに、戸惑ったようにレンは口を開いた。

「何って……。ほら、リラねーちゃん達帰ってきたよ。あの荷物下ろすの手伝わないと」

「え、あ、ああ…………ってはああぁぁっっ!!?何あの量ッ!?」

思わず見上げると、ちょうど欄干に身を乗り出すように現れた二つの小柄な影が飛び込んできた。

いや、小柄ではない。というか、全然大きかった。

小さなポーチくらいしか身に着けていなかった双子は、どこで見つけたのか、バランスボールもかくやというとんでもなくドデカいバックパックを背負いながら仁王立ちしていた。しかもバックパックのあちこちからは収まり切れなかったのか、アサルトライフルの銃口やら弾薬ベルトやらが枝葉のように飛び出している。

ありていに言えば非常に物騒だ。どこかに戦争でも仕掛けるつもりなのだろうか。

しかも漁ってきた獲物はそれだけではない。そんなバックパックを更に二つを後ろから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ