第5話 妖精との出会い
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フィーはその小さな手で僕の頭を撫でる、自分の方が遥かに苦難の境遇なはずなのに自分を心配してくれるなんて……
「……ありがとう、君は優しいんだね」
「どういたしまして」
僕はフィーを抱っこする、ちっちゃい体だけどとってもあったかい。
「フィー、僕はリィン・クラウゼル。君のお兄ちゃんだよ」
「リィン?……お兄ちゃん?」
「ああ、君は今日から俺達の家族……そして俺の娘〈フィー・クラウゼル〉だ」
「フィー・クラウゼル……わたしはフィー・クラウゼル……うん」
フィーは新しい自分の名前を嬉しそうに呼んだ。
「今日からよろしくね、フィー」
「ん、よろしく。リィン……」
それにしても僕に義理の妹が出来たのか、何だか実感が沸かないな。
「それじゃリィン、早速で悪いがお前にフィーの面倒を見てほしいんだ」
「え、僕がですか?」
「勿論俺達も面倒見るが最近は少し忙しくてな、それに年の近いお前ならフィーも安心すると思うんだ」
なるほど、確かに団長達は最近忙しいしそれなら仕方ないか。でも僕もあまり年の近い人がいなかったからどう接しようか。
「大丈夫かな……」
「どうしたの、リィン?」
フィーが心配したようにクイクイッと裾を引っ張ってくる、可愛い……じゃなくて。
「ううん、何でもないよ、フィー」
そういって僕はフィーの頭を撫でてあげる、するとフィーは嬉しそうに微笑む。うん、やっぱり可愛い。
「取り合えず団の奴等に会わせてやってくれないか、一応事情は話したがちゃんとした自己紹介はしてなかったんだ」
「じゃあまずはゼノ達に会ってきます」
「頼んだぜ」
団長との話が終わり僕はフィーと一緒にアジトを歩きながらゼノ達を探す。
「ねえリィン、何処に行くの?」
「今からフィーを団の皆に紹介しに行くんだ」
「……皆?」
フィーはきょとんとした顔で僕を見る、少し怖がっているようにも見えた。
「もしかして緊張してる?」
「……うん」
フィーは恐る恐る僕の手を握る。
「大丈夫だよ、皆フィーを受け入れてくれるよ」
「本当に?」
「僕を受け入れてくれたんだ、フィーなら直に受け入れてもらえるさ」
「……うん」
フィーと話しているとアジトの食堂についた。
猟兵の食事は基本的にレーションや町のお店などでご飯を食べている。戦時には非戦闘員が作るがそれも塩で味付けしたり焼いたりと簡単なものが多い。
だからこの西風の旅団でもまともな料理が出来るのは姐さんくらいだろう。
「おー、ボン、どうしたんや?」
「あ、ゼノ、それにレオ」
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