第5話 妖精との出会い
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ために?」
「いや今の話もあるが別の用件があるんだ」
「別の用件?」
団長は普段はしない真剣な表情になり、僕も自然と身構える。
「(な、何だろう?団長何時もになく真剣だ、もしかして僕に関する事で何かあったのかな?だとしたら心して聞かないと!)それで話とは……?」
僕は恐る恐る話を聞く。
「ああ、実は……」
「……ごくり」
「お前に妹が出来る!!」
「……はッ?」
だが団長が話した話の内容は僕の予想を遥かに上回るものだった。
「えっ、えっ?」
「何だ聞いてなかったのか?もう一度言うぞ、お前に妹が出来たんだ」
「まさか姉さんと遂に……」
「いや、流石にまだガキは作れねえな。マリアナ抜けたら結構厳しいし、それはいずれするつもりが今回は違う」
「じゃあ姉さん以外の人と……!?」
団長がモテるのは知っているので相手が特定できない、団の女性だけでなく酒場のお姉さんとかカジノのバニーさんとか仕舞いには貴族の令嬢と幅広い女性関係を気付いているしね。
まさか僕が全く知らない女性との間に出来たんじゃ?そんなことを考えていると、団長はため息をつきながら話し出した。
「心当たりはそれなりにあるが今回はそれも違う。というかさっきから生々しい反応するがお前にとって俺は簡単に女を孕ませる男に見えるのか?」
「だってあっちこっちに愛人いるし……」
「強い男には自然と女が近寄ってくるもんだ。お前もハーレムを作るなら全員を満足させられる器量の良さを身に着ける事だな」
「ハーレムなんて興味ないよ……まあその話は置いといて妹って僕みたいに拾ったって事?」
「まずは見てもらったほうが早いか。フィー、お前のお兄ちゃんだ、顔を見せてやれ」
団長の背後からヒョコッと顔を出したのは僕よりも小さな銀髪の少女だった。
「………」
「団長、この子は?」
「この子はフィー、俺が行った紛争地帯にたった一人でいた子だ」
「たった一人で?」
僕も戦場で団長に拾われた、だがこのフィーという少女も同じ境遇のようだ。
「……この子の親はどうしたんですか?」
「分からない」
「えっ?」
「この子は俺と出会う前までのことを名前以外覚えてないらしい。親の姿も見えなかった、もしかしたらこの子はずっと一人で生きてきたのかもしれないな」
「そんな……」
僕は3歳の時に拾われた、そしてこの女の子……フィーも記憶も定かでない状態で戦場を彷徨っていたのか。いや、覚えることすら過酷な環境の中、必死で生きていたのかも知れない、自分よりも小さな少女が……
「……どうしたの?」
「えっ」
「何だか悲しそうな顔をしてる、元気だして」
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