竜の谷
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が怒鳴る。
「ウェンディとシリルだってありえないって言うはずだよ!実はね・・・」
「やめなさいヨシノ!!」
「人が次々に消えているんだ」
ヨシノちゃんの言葉に俺たちは言葉を失う・・・人が・・・いなくなる?
「一人や二人じゃないよ。もう十人以上・・・」
「そんなにたくさん・・・?」
「いつ頃から?」
消えた人の多さに驚くウェンディ。俺はヨシノちゃんにいつ頃からなのか質問する。
「半年くらい前から・・・突然なの。今までこんなことなかったのに・・・」
半年前から・・・ずいぶんと前からなんだな。
「一体どうして・・・」
シャルルが聞くとお父さんは一度ため息をつく。
「ドラゴンの亡霊の仕業だよ」
「「「「ドラゴンの亡霊!?」」」」
「ここは昔、近くの谷に住むドラゴンを倒してできた村でね。その時のドラゴンが亡霊になって村に復讐しているんだ」
「・・・ありえない・・・」
お父さんの説明にヨシノちゃんが小声で言う。
「ドラゴンを倒したのって百年以上も前のことじゃん!なんで今になって復讐なの!?絶対亡霊以外の犯人がいるはずだよ!」
ヨシノちゃんは大きな声でそう言う。確かに・・・今さらになって復讐するなんてありえないと俺も思うな・・・たぶん人の力が関わっているんだろう。
しかしお父さんはそんなヨシノちゃんを見ながら言う。
「でも、そうじゃなきゃ説明がつかないだろ。消えた人たちを私が探しにいったあの日・・・確かに崩れた橋が、次の瞬間には何事もなかったように元に戻っていたんだから。
橋のことも人を消すのも、人間にできることじゃない・・・」
「そんなっ・・・」
お父さんの説明にウェンディが驚く。橋が元に戻った・・・?
「あの高さから落ちてケガですんだのは、ドラゴンからの警告なんだろう・・・私たちにはドラゴンの亡霊が鎮まるように祈るくらいしかできないんだよ」
自分のケガした腕を見つめて言うお父さん。そんなお父さんにヨシノちゃんは
「あんな儀式で消えた人が戻ってくるわけないじゃん!みんなどこかで助けを待ってるはずだよ!!」
「ヨシノちゃん・・・」
「もういい!私が絶対助け出してみせる!!」
「お前には無理だ!関わるな!!」
お父さんの大きな声にびっくりしてしまうヨシノちゃん。
「・・・何よ・・・このままみんなを放っておけって言うの!?お父さんのバカー!!」
ヨシノちゃんは泣きながら部屋へと走っていってしまう。俺とウェンディはただそれを見送ることしかできない。
「・・・すまないが、ヨシノのそばにいてやってくれないか?」
お父さんはベッドに横たわったまま俺たちにそう言う。手で顔を隠していたから表情は見えないが・・・声からお父さんも辛い思
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