暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico20笑顔〜Reinforce Eins〜
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覚ました円形空間を中心に、どれだけの高さか正確には判らないが少なくとも100m近く、さらに数km単位の長さを誇る書棚が何十台と銀河のように渦巻いていた。

「おーい、アインスー! どこだー!?」

「この声・・・、ルシルか!」

足元から聞こえて来たのはルシルの声。降下しながら「ルシル、私はここだ!」そう応える。ルシルの側へ降り立ち、「ここはどこなのだ? 私はどうなった?」疑問をぶつける。ルシルに椅子に座るよう促され、私は先ほど座っていた椅子へ座り、ルシルは対面の椅子に座った。

「ここは俺の精神世界に形作られている創世結界の1つ、英知の書庫アルヴィト。俺もアインスも精神体だから、君の体が自由に動いているし、魔法が無くても空が飛べるわけだ」

「これが創世結界、なのだな。書庫ということは、複製された魔法などが収められているのだな・・・?」

何万では足りないであろう数の書物が書棚に収められている。ルシルは「そうだよ」とある書棚に手を翳すと、1冊の本がスッと音もなく飛来して来てルシルの手に収まった。その本を円卓に置き、「こういうような物だよ」私の元へ滑らせた。私はその本を手に取り、開いて見てみる。

「夜天の書と同じように記されているのだな」

術式がズラリと記されていた。どうやらこれはなのはの術式が記されているようだ。ディバインシューター、アクセルシューター、ディバインバスター、エクセリオンバスター、などといった術式だ。

「アインス。本題に入ろう」

重々しい口調で話を切り出したルシルに、「やはり私は助からないのだな」と返すと、「すまない。ステガノグラフィアの調査の結果、やはりアインスを救う方法が見つけられなかった」彼は深々と頭を下げて謝った。判っていたんだ、初めから。だから「気にしないでくれ」と微笑み返す。

「・・・違う。そうじゃない。本当は初めから君のことを助けられないと判っていた。家に戻る途中、あそこまで啖呵を切ったのは、はやて達に何をしても君を救えなかったという現実を見てもらうためだ。何もせずにアインスが消えれば、見殺しにしたという罪悪感を抱かせると思った。だからそれらしく振る舞った。俺たちは頑張ったんだって、思わせるために」

懺悔するように俯き、肩や握り拳にした両手を震わせるルシル。私は「ああ」と静かに頷く。責めはしない。その理由が無い。むしろルシルには感謝しかないのだから。私は椅子より立ち上がり、ルシルの元へと向かう。

「なのは達を呼んだのは、アインスと別れの挨拶をさせるためだ。知らぬ間にアインスが消えたとなれば、それは辛いだろうって思ったから」

「ああ」

「魔力は・・・貰った魔力は、俺自身の目的に利用する為だけに吸収したんだ・・・! アインスを救うためじゃない・・・! 俺の
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