暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epico20笑顔〜Reinforce Eins〜
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勝手な理由の為、なんだ・・・!」

「ああ。きっと、エグリゴリとの戦いで使うつもりなんだろう? 私が許すよ。主はやて達に代わり、私がお前を許すよ」

残る“エグリゴリ”は私たちが苦戦したバンへルドより上の実力者。魔力は余り余るほどでなければおそらくルシルに勝ち目はない。

「ルシル、ありがとう。この創世結界に来たことで消滅までの余裕を得られた」

ルシルを抱きしめる。消滅まで時間が無いと解り少しばかり焦っていた。しかしここに来られたことで主はやて達に伝えたい想いを整理することが出来たのだ。そのお礼と、優しさゆえに苦しんでいるルシルを慰めるための抱擁だ。

「さぁ、戻してくれ。主はやて達に別れをしないといけない」

「・・・ああ」

視界が再び暗転する。視界が開けると、創世結界へ精神が取り込まれる時と同じ状況のままだった。大人の姿をしたルシルが私の胸元に指先を当てている状態。ルシルは「・・・ごめん」そう小さく謝罪の言葉を発し、私の胸元から指を離した。その謝罪の意味を理解したみんなの表情がみるみるうちに青褪めた。

「ルシルを責めないでやってくれ」

「「アインス・・・!」」

別れが確定したことで主はやてとリインの涙がさらに溢れてきていた。今こそ伝えよう。私がこの8ヵ月、いや、主はやての元へ転生したこの10年を含めての思いを。

「主はやて。私はとても幸せでした。始まりすらも思い出せない程に永い刻を生きてきました。その中で多くの悲劇や絶望を受けてきましたが、最期はとても幸せな時間を得ることが出来たのです」

主はやてを、リインを、ルシルを、シグナム達を見る。シグナム達にも辛い運命を背負わせて来てしまった。しかしもうその憂いもなくなった。私たちは最後の最後で、この命――魂を懸けるに値する主と出逢えた。これほどの幸福はない。

「ですから泣かないでください」

「アインス・・・! そやけど、そやけど・・・!」

「無理ですよぉ!」

主はやてやリイン、なのはら子供たちの目からは大粒の涙が零れ続けている。

「お願いします。笑顔で私を送り出してください。なのは達もお願いするよ。お前たちの優しい笑顔を見ながら、私は逝きたい」

「「アインスさん・・・」」「「「「アインス・・・」」」」

なのは達は袖で涙を拭い、懸命に笑顔を作ろうと努めてくれたから、「あぁ、心優しいお前たちが私の家族の側に居れば、私は安心して逝けるよ」そう言って笑顔を作ると、なのは達はまた涙を溢れさせたがそれでも笑顔を崩すことはなかった。

「リンディ提督、クロノ執務官、エイミィ。長くお世話になりました。ありがとうございます」

「はい。はやてさん達の事は、私たちが責任を以ってこれからも見守って行きます」

「だから
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