暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
いざ、アルビオンへ
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いたナイフ使いも後頭部を蹴り飛ばされ動かなくなった。
と、最後の両手剣を持つ男がここで体勢を立て直し、ヴァロナに斬りかかった。
「うおおおお!!」
「!おっと」
ヴァロナは瞬時に反応し、ズボンの両方のポケットからナイフを取り出して迎撃する。
(そうだ、ナイフ!奴はどこにナイフを隠し持っているんだ!?)
ここで禿げ頭の傭兵は先ほどから引っかかっていた疑問が分かった。
ヴァロナはここに至るまで既に十本近くのナイフを使っている。加えて彼の得物は刃渡りだけで数十センチにもなる。とてもじゃないが、あの軽装で持ち切れる量じゃない。
そう思っている内に三人目も切り倒されてしまった。
「はあ、この辺で終わりにしねえか〜。もう疲れたわ。」
と言いながら声音以外は全く疲れていそうにないヴァロナ。事実その体は無傷どころか服も全く乱れていない。
(考えても始まらん。自分で確かめる・・・!)
そう決断し、男は前に進み出た。
「何だよ、まだやんのか。」
「生憎、一度受けた依頼はそう簡単に降りるわけにはいかんのでな。」
傭兵の在り方にヴァロナは呆れ気味だ。「そうか。」とどうでもよさそうに言うと、こちらに向かってナイフを投げてきた。
「ふん!」
禿げ頭の男はそれを手甲で受けきる。
(これで奴は徒手だ。さあ、どうする?)
「飯綱落とし!」
「むっ!?」
ヴァロナの姿が一瞬で消えた。どこにいったか目で追う前に彼の長年培った危機察知能力がそれを告げた。
「・・・上かっ!」
ばっと真上を振り仰ぐと、ヴァロナがこちらに向かって落ちてくる。
その時、男は見た。ヴァロナがポケットから何かを取り出しているのを。
(あれは・・・)
彼が両手に持つのは・・・石だった。
(っ!!そうか!コイツ・・・)
その時、彼は目の前の男の使う能力に気付いた。
こちらに落ちてきながら、両手の石はみるみるナイフの形に変わっていく。
(石をれん・・・)
その答えに至った時、男の首は宙を舞っていた。
リーダー格の者がやられたため、傭兵たちの戦意は大幅に削ぎ落とされたようだ。もう一度勧告すれば流石に退いてくれるだろう、そう思って口を開きかけた時だった。
「!?」
突然攻撃の気配を察し、ヴァロナはその場から飛びのいた。次の瞬間、ヴァロナのいた場所に魔力弾が打ち当った。
ヴァロナたちから少し高い位置にある岩場に一人の男が立っている。恐らく中年くらいなのだろうが、帽子にマント、おまけに白い仮面までつけており顔も認識することも出来ない。
「まさかメイジが紛れ込んでいるとはな。とんだ伏兵だ。」
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