暁 〜小説投稿サイト〜
フェイト・イミテーション ~異世界に集う英雄たち〜
ゼロの使い魔編
第二章 天空の大陸 アルビオン
いざ、アルビオンへ
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勢いにワルドは顔を顰め、防御の構えをとる。その隙を架は見逃さない。常人では考えられないスピードで距離を詰める。
「散沙雨!!」
ワルドに負けないほどの突きの連打。一切の反撃を許さないような猛攻に流石のワルドも「くっ!」と苦悶の声を上げる。だが、
(まだ甘い!)
「デル・イル・ソル・ラ・ウィンデ・・・」
「いけねえ相棒!魔法が来るぞ!」
「!」
デルフリンガーの警告を聞き、一時後退しようとする架だったが
「遅い!!」
既にワルドは詠唱を完成しかけている。もう間に合わない。
(一か八か・・・!!)
「カケル!」
両者は固まっていた。
ワルドは魔法を完成させた状態で架の顔面に杖を向けている。
対する架はワルドの首筋に剣の刃を当てている。
どちらも少しでも動けば相手を殺せる状態だった。つまりこれは・・・
「ひ、引き分け・・・?」
「・・・いや。」
ルイズの呟きを否定したのはなんとワルドだった。
「この勝負・・・私の負けだ。」
「そ、そんな!どうして!?」
ルイズの言い分は尤もだ。ワルドが放とうとしたものは風を杭のように固め相手にぶつける魔法。あの至近距離で放たれたら、架だってただでは済まなかったはず。なのになぜ架の勝ちなのか。
ワルドはルイズたちにこっちにくるよう手招きし、自分の杖を見せてみた。
「なっ!?」
「これは・・・!?」
ワルドの杖は真ん中あたりで大きくひび割れており今にも折れそうな状態だった。
ワルドは架の方を向きながらゆっくりと解説をする。
「先ほどの突き、乱雑に見えたが全て一点に集中していたね。軍の杖は頑丈に作られているがさすがに耐えられなかったようだ。こんな状態で魔法を放ったら良くて不発、もしかしたら魔法が暴発していたかもしれない。だから私の負けだ。」
架はデルフリンガーをしまいながらワルドに向かって頭を下げた。
「すいません。模擬戦とはいえあなたの大事な杖を・・・」
「いやいいんだよ。この任務にもいくつかストックは持って来てるしね。それより久しぶりにいい勝負だった。また機会があれば頼もう。」
そう言って、ワルドは中庭を出ていった。
残されたメンバーでどうしようかという空気の中、ギーシュが架に問うた。
「そういえばカケル、さっきの技だが・・・」
「どうした?」
「さっき君が起こした風、あれは恐らくワルド子爵のものを真似したんだろう?彼は風のスクウェアクラスのメイジで有名だからね。」
「そうだが、それがどうかしたのか?」
「いや、いつ子爵の魔法を見たのかと思ってね。」
「そういえばそうよねえ。彼、まだ一回も魔法見せてないし・・・」
「いや、見せただろ
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