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【銀桜】7.陰陽師篇
第3話「嵐ニモ負ケズ」
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戒心が強く他人に心を許す事が少ない双葉だが、自分の好みに関しては滅法弱い。
 極端と言えば極端過ぎる妹の性格に、銀時はやれやれと頭を抱えた。
 ピザを食べる双葉をよそに、新八はずっと疑問に思っていた事を晴明に尋ねる。
 なぜ自分たちが結野アナの友人だと既に知っていたのか。
 その謎を晴明は手にする扇子で己の瞳を指しながら種を明かした。
 江戸各地には晴明が放った無数の式神たちが目を光らせており、そこからありとあらゆる情報を収集している。張り目ぐされた式神の情報網(ネットワーク)から得た情報(データ)をあらゆる角度で分析し、算出された無数の結果から国家の行く末と幕府の進むべき道を導き出す。そうして結野衆は長きに渡って江戸と幕府を護ってきたのだ。 当然、陰陽道の『巨大な眼』を持つ晴明は、江戸の民についても把握している。
「故にぬしの妹の好物が何であるかも、わしにはお見通しじゃ」
 どうして双葉の御膳にだけピザがあったのか、銀時は納得した。
 好物を頬張る妹を横目で眺める銀時に、晴明はさらに説明を続ける。
「そのわしが自分の妹一人のことさえ把握していないとでも?全て承知じゃ。奴がぬしらを頼ったことも。ぬしらがココに何をしにきたのかも」
「……どうやらお兄さんは全てお見通しのようだな。だったら話が早ェ」
 銀時は肩をすくめ、次に鋭い目つきで結野衆の頭目を射抜いた。
「てめーら、結野アナに一体何をしやがった」
 最強とうたわれる陰陽師なら、他の術者の邪魔など容易いこと。ましてや天候を変えるという、神に匹敵する力を持っていてもおかしくない。
 容疑をかけられた陰陽師は、半ば自嘲的な笑みを浮かべて答えを返した。
「確かにクリステルが結野衆を黙って抜け、その力を市井で使いだした時、結野の血を重んじる格式ばった連中と共にわしも反対した。だが――」
「御頭ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 唐突に割りこんできた絶叫で晴明の言葉が途切れる。
 血相を変え走ってきた部下を見るなり、晴明は顔中に冷汗を流して部屋からすっ飛んで行った。
 ただ事ではないことを悟って、彼の後をすぐ追いかけた新八達が見たのは――

* * *

「「「「「「晴れろオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」」」」」」

 屋敷の庭から沸き上がるのは、空を揺るがしそうな程の男たちの大絶叫。
 実は昼間のお天気お姉さんが病欠した為、急きょ朝の顔の結野アナがお昼の天気予報をすることになった。
 それを知った結野衆頭目・結野晴明は部下達を庭に集め、『五段祈祷法』を始めたのだ。
 ちなみに、この術法は陰陽五行説に基づいて行う祈祷法の一つ。国家安泰や止雨効果があるといわれている。
 無論、これは結野アナのお天気予報を的中させるため。テレビの向こうの結野アナ
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