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大統領の日常
本編
第二十一話 とある戦線の物語2
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崩壊しつつあり!」
予想以上に前方の艦隊の攻撃激しい、このままだとまずいな。しかし、こちらから増援を送ることはできない・・・

「閣下!敵艦隊に防御線を突破されました!」
ばかな、早すぎるっ
「護衛部隊迎撃せよ!」
「だめです!敵の攻撃が激しく、戦線維持不可能!」
「戦艦デルフェン撃沈!副司令官サーテムト少将戦死!」
「前衛部隊損耗率4割!」
「右翼部隊壊滅!」
あれだけ優勢だった戦況が一瞬のうちに覆ってしまうとは・・・
最後の最後に油断したな・・・


「直撃、来ます!!」


■ラーベクト中将


既に敵は前衛艦隊を突破しつつある。全滅も時間の問題だろう。副官に避難完了率を聞くと80%だと返された。20%、数でいうと80万人だ。80万人の民間人が捕虜になることになる。帝国では捕虜は奴隷として使われるか、その場で殺されるかだ。どちらにしても地獄だ。こうなったら旗艦を撃沈して混乱させようかとも考えたがさすがは貴族、自分の守りだけは固めていて不可能に近かった。

目の前にいた味方艦が爆沈した。そしてその煙の中から敵艦が姿を現す。
「どうやらこのレース、死神が勝ったようだな・・・」
そう言って目を閉じた。

だがいつまでたっても死が訪れることはなかった。
しばらくするとあたりが騒がしくなってきた。
不思議に思い目を開ける。

私が見たのは目の前で今まさに主砲を撃とうとしていた敵艦の残骸だった。

「味方です!第三独立艦隊です!援軍だ!!」
そうオペレーターが叫ぶとそれまで絶望的な雰囲気に包まれていた艦橋が一気に歓喜に包まれた。
私ははっと我に返って叫ぶような声で指示を出した。
「ありったけの砲弾を、敵にたたきつけろ!!」
援軍の攻撃に混乱していた敵艦隊に次々と砲撃を加えられる。

どうやらレースは一秒差で援軍が勝ったようだ。





「撃て撃て!敵は混乱しているぞ!一気に殲滅するのだ!」

第三独立艦隊はガルメチアス軍の右翼に突撃するとそのまま中央をを突破して左翼後方に突き抜けて後方から容赦ない砲撃を加えていた。
突然の攻撃にガルメチアス軍は混乱し、出血を増大させていた。既に旗艦は撃沈されており、それも混乱に拍車をかけていた。


・・・・・・・


その後、最後まで抵抗を続けていたオルトマン少将の左翼部隊は味方の残存艦艇を救出して撤退し、飛空艦隊を失った地上部隊も空からの砲撃にさらされ、20師団もの損害を出して撤退した。
当初優勢だったガルメチアス軍はビッテンフェルト少将率いる第三独立艦隊の不意打ちを受け、参加兵力240隻のうち187隻もの損害を出し、地上部隊も25師団の大半を失う大敗北となった。
対してロンディバルト軍は守備艦隊150隻のうち11
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