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大統領の日常
本編
第二十一話 とある戦線の物語2
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すでに7時間も艦橋で指示を出していたということか。
ふと指揮席を見ると既にヘルメール伯爵は食事を半ば食べ終わっている。
近くにいる従卒に食事を持ってくるように頼んだ。そしてオペレーターなども交代で食事をとるように指示する。

今日の夕食はステーキだった。私はあまり脂っこいものが好きではないので半分程度まで減らしてもらった。その時副官のビュール少佐が「もしやダイエットでもなさっているのですか?」とにやにやしながら聞いてきたので彼の嫌いなピーマンを従卒にこっそり頼んで2倍にしてもらった。運ばれてきた料理を見て絶望的な顔をしたのはさすがに笑えた。

食事を済ませると副参謀長のクリストフ准将から指揮を引き継いだ。
敵の艦艇数をオペレーターに問うとあと35隻ほどとのことだった。やはり当初の戦闘とよりは敵に与えている損害が少ない。それに加えて敵の基地の防衛装置からの攻撃も無視できなくなっており、そろそろ一気に片を付けなければならない。

ヘルメール伯爵に許可をもらうと全艦に円錐陣を取るように指示した。そして両翼を伸ばし包囲していた艦艇が次々と中央に集結し、30分ほどで円錐陣が完成した。
打撃力に優れる戦艦と高速戦艦を前衛に巡洋艦と駆逐艦を外側に、空母を内側にした陣形だ。

この時、私は勝利を確信していた。こちらは243隻対して敵は30隻程度。この物量の差ではどれだけ優秀な指揮官でも覆すことはできない。
気が付くと私は笑みを浮かべていた。一度深呼吸をして落ち着かせると全艦に号令を下した。


西暦2115年 10月 23日
ラーベクト中将


「っく!・・」
旗艦の近くにいた味方艦が敵の砲撃を受けて爆沈した。
既に我が艦隊は36隻まで撃ち減らされ、組織的な抵抗は不可能となりつつあった。
唯一の救いはディベル粒子のおかげで命中率が下がっていることだ。こちらは各艦の間が広いため、命中弾は少ない。しかし敵は数も多く比較的密集しているため結構な確率で命中する。
とはいったもののこの戦力差を覆すことは到底不可能だ。もし敵が密集体形で突撃してきたらこちらはなすすべもなく壊滅する。

副官に現在の避難完了率を聞くと75%ほどだと返答された。無駄と分かっているが出来るだけ急がせるように伝えた。

ふとメインモニターを見ると敵が徐々に密集体形を取っていることに気づいた。
その数秒後にオペレーターが敵が密集体形を取っていると叫んだ。
全艦に密集した敵艦隊に砲撃を集中させるように指示し、敵艦隊に少なからず損害を与えた。
しかしこの戦力差ではこの程度微々たるものでしかなく、敵艦隊は多少混乱しつつも着実にこちらに進んできた。

目の前にいた味方艦が爆沈した。そしてその煙の中から敵艦が姿を現す。

「どうやらこのレース、死神が勝っ
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