SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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間交代を条件に賛成したのに……なんなのかしらね、不眠症に憧れているの?
「貴女って、不眠症に憧れているんじゃないの?」
「は? 何言ってるの?」
「聞こえなかったの?」
「聞こえていなかったわけじゃないわよ! どうして空を見ているだけで、不眠症に憧れているって皮肉なことが浮かんでくるのよ!」
「寝ていいと言ったのに、何故か起きているからそう思っただけ」
「別に起きたっていいじゃない……たく……」
とくにやることないのに起きているなんて、よくわからないわね。
「……私のこと嫌いじゃないの?」
「は? 嫌い? 嫌いって言ってないわよ」
「昨日、あんたなんか大嫌いだって大声で吠えていたくせに」
「そ、それは……そうだったね」
「嘘つき」
「悪かったわね! つか、あれはどっちかっていうとあんたのせいでしょうが!」
それもそうだ。私がリズベットに好かれないように挑発している。他人から言わせてもらえば、私はリズベットに毒を吐いて攻撃をしている。それで喜ぶ変態ではなかった。
嫌いなくせに……なんでリズベットは、私の傍にいる?
「あ、あのさ……」
「なに?」
どうして私に声をかけてくる?
「さっきは、ありがとう……」
どうして私にお礼を言うの? 私のこと、嫌いじゃないの?
…………。
「あっそう」
私にお礼をする意味は理解できなかったけど、お礼する理由はわからなくもなかった。結果的には間に合ったから、助ける意味はなかった。でも、事実的に言えば私はリズベットを助けた。そのお礼を私に伝えたのだろう。
結果的には助けなくても良かったのだから、お礼を貰う言葉なんていらなかった。もっと言えば、お礼を貰う言葉なんて、まったく気にしていなかった。
「あんたってさ……アスナの言う通り、優しいんだね」
「バカじゃないの?」
リズベットの言葉に、咄嗟に、そして意味を理解する前に否定をした。
理由は簡単だ。そんな風に思ってほしくはなかった。例え誰であろうが、私が優しい人だって思わせてほしくはない。実際にそうなんだから。
この際、リズベットが急にバカなことを口にしたことを問い詰めることはしない。
だけどこれだけは言わせてもらう。
「優しくなんてないわよ」
優しくない。
優しくなんか、ない。
吐き捨てるようにその言葉を否定した。
ふと、視線をリズベットに向けると急に自分の左手を掴んできた。払おうかと思った。自分が優しいという言葉から逃げていること、否定して実を守ることを逃さないように私を掴んできたと、危機したから。
だけど、彼女の目は強い眼差しに思わず怯んでしまい、払い損ねた。
「あんた冷たいね……」
「……
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