SAO編−白百合の刃−
SAO23-冷女の温度
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ってもなんも問題はなかった。
「リズベットが足でまといなら、囮役でも考えたのに残念だわ」
「あんた……あたしに犠牲になれって言うの?」
「えぇ」
「その一言が何よりもムカつく!」
リズベットの吠えるような声を上げながら、ほとんどダメージを負うことなく安全エリアに向かう途中だった。
「あれ?」
「どうしたの、リズ?」
「いや、快晴だった星空が急に曇りになってきたんだけど……」
「走るわよ」
「うん!」
「え、何? まさか、あれが吹雪の合図!?」
リズベットが疑問に思った通り『デッドマウンテン』の恐怖の象徴である吹雪の予兆。快晴の空が瞬く間に曇っていき、あっという間に雪が振り、風が嵐のように吹き、猛吹雪が吹き荒れる。
「理屈とか疑問なんて後でいいわ。とにかく、安全エリアまで全力疾走で向かうわよ」
「ちょっと、あたしそんなに敏捷力高くない……」
「それくらい上げなさいよ。なにがマスターメイサーよ」
「し、仕方ないじゃない! あたし、どっちかっていうと筋力型だもん!」
「脳筋だから脳筋みたいなビルド構成になったリズベットらしいわね」
「こんな時でも毒を吐くとかひどくない!?」
たく、世話が焼ける。
「アスナは大丈夫よね」
「大丈夫!」
「そう」
私は勢い良く振り返って、一番後ろにいるリズベットへ寄る。
「うわぁ、ど、どうし」
「うるさい」
リズベットが言い終わらないうちに、無理矢理背負った。
「いきなり、なにすんのよ!」
「うるさいから黙りなさい」
「だからって、背負うなら一言くらい」
「文句なら生きていた時に聞いてあげるわよ」
一人背負うくらい問題はない。あとはモンスターが大量に現れてエンカウントしないことを祈るぐらいだ。空の状況はわかっていないけど、前来た時はそんなに時間をくれはしなかったはず。私の足で安全エリアに着くか、間に合わずに猛吹雪の中、身動きを取れなくなるか。当然、死ぬ気とか諦める気なんてない。
そもそも祈る必要はないわね。邪魔するものが立ち塞がるなら、それを斬るまでよ。
リズベットはなにか言いたそうだったが、私が言葉を挟んだ。今は安全エリアに避難するのが先だ。てっきり反抗するかと思っていたが、言った通りにリズベットは背負っている間は口を開くことはなかった。
「ふぅ……」
雲の広がりが思ったよりも速いけど…………。
「ドウセツ、こっちよ!」
普通に間に合った。
安全エリアである洞穴へ避難した。
「危なかったね!」
「そう? 普通に間に合ったわよ」
これだったら、リズベットの敏捷力でも間に合ったわね……余計な体力を使ったわ。
「あだっ」
とりあえず、もうリズベット
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