第4章
停止教室のヴァンパイア
第88話 後輩できました!
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神器(セイクリッド・ギア)よりも、あの性格の方が問題かもね」
兄貴の言う通り、こいつの場合は、あの弱気な性格の方が問題がある気がするな。
まあ、なにかかしらの理由はあるかもしれないが。
「ギャスパー、出てきてちょうだい?無理に出した私も悪かったわ」
「ふぇぇぇぇんッ!?」
あの後、ギャスパーが自分のいた部屋に閉じ篭ってしまい、俺達が何を言っても聞いてくれない為、急遽、会談の打ち合わせを控えていた部長にお願いして来てもらったんだけど、それでも無理だった。
「……すみません、部長。大事な打ち合わせの最中、呼び出しちゃって…」
「いいえ、貴方達はこの子の為に頑張ってくれたのだし」
「ふぇぇぇぇんッ!?外怖ぁぁいぃぃぃッ!?」
「……これが逆効果でぇ…」
「ギャスパーがこんな風になってしまったのは、事情があるの」
「事情?」
そして、部長からギャスパーの出生の話を聞いた。
ギャスパーの父親は名門の吸血鬼(ヴァンパイア)で、ギャスパーはその父親と人間の母親の間に産まれたそうだ。
でも、ギャスパーに待っていたのは家族からの蔑みだった。
どうやら、吸血鬼(ヴァンパイア)は悪魔以上に血統とかを重要視してるみたいで、人間とのハーフであるギャスパーは差別的な扱いを受けたみたいで、人間からはヴァンパイアである事と、何より制御できない時間を停める能力を忌み嫌われたらしい。
確かに、時間を停められた時、若干の違和感は感じたけど、何をされたのか分からず、時間が停められていたと言う感覚すら無かった。
……あれは少し不気味だった。
時間が停められている間は何をされても気付かない訳で、その間に何をされたのか気になってしまって、怖くなってしまう。
ギャスパーの周りにいたみんなはその恐怖からギャスパーを避けてしまったのだろう。
……ふと、ギャスパーもアーシアと同じなんだと思ってしまった。
「ぼ、僕、こんな力いらない!みんな、停まっちゃうんだ!だから、みんな、怖がる!嫌がる!僕だってイヤだ!?仲間の、友達の停まった顔を見るのはもうイヤだぁッ!?」
その後のギャスパーは路頭に迷っていたところを部長に出会い、眷属になったみたいだ。
「ふぇぇぇぇん…」
「……これでは、王(キング)失格ね…」
ギャスパーの泣き声を聞いて沈み込む部長が見ていられなくなり、ふと、初めて会った頃の千秋の事も思いだし、決心する!
「部長、後は俺に任せてください!なんとかしてみせます!」
「……イッセー」
「大丈夫です!せっかくできた、男子の後輩なんですから、俺がなんとかしてみます!」
俺の言葉を聞いた部長は微笑む。
「イッセー、貴方に任せるわ」
「はい!部長!」
部長はギャスパーのいる部屋を見つめながら、転移していった。
俺は扉の前にドカッと座る。
「ギ
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