ある編集者の前書き
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プロローグ
「第3中隊は直ちに第2・3ブロックの制圧にかかれ!」
私たちは、あのラインハルト・フォン・ローエングラムの旗艦「ブリュンヒルト」の中で、血みどろの白兵戦を演じていた。
ある重要な「目的」を「彼」に果たしてもらうために我々はここまで進んできたが、さっきよりもまして、擲弾装甲兵の姿が多くなってきた。
1個連隊はいそうだ。
それでも私の初陣だった「ヘンシェル星系攻防戦」に比べればましな戦いはできているうえ、1個連隊など苦にもならなかった。
なんたって、自分の右腕の部隊章「第442特殊強襲揚陸白兵戦連隊 ローゼンリッター連隊」を見れば一目瞭然もいいところだ。
我々は、激戦地に送られ、偏見の波にのまれ、味方、敵の血の海の中にもまれて生き残ってきた「薔薇の騎士」たちだ。そこら辺の貴族ボンボンとはわけが違う。
「大隊長、敵が右第4ブロックから侵入してきます!」
隣にいる、まだ19歳のマースト・メッケル伍長が叫んでいた。
「よし、第1小隊俺に続け!
ここが、ローゼンリッターの血の薔薇畑であることを奴らに思い知らせるぞ!」
私はトマホークを握りしめ、第1小隊を率いて敵の1個中隊近い集団に駆け寄って、敵に反撃のすきを与えずに敵の大尉の階級章のついた指揮官をトマホークで右上段より切り裂いた。
それから何分経ってしまったのだろうか?
先の1個中隊を全滅させてから、敵艦のD群最後のブロックである第1ブロックを制圧したのち、C群のLブロックに侵入した。
しかし、敵は我々に2正面作戦を強いてきた。そして、2本の通路の真ん中で私は一人の擲弾装甲兵と取っ組み合っている。
この勇敢な擲弾装甲兵はこの私の27年間の人生の中で最強に値する人物だ。すでにわが大隊の上級白兵戦資格を持つ兵士3名を切り倒し、小隊長2名を一振りで切り倒した強者だ。私の得意技である胴狙いのフェイントにも少しの動揺もなく応じて攻撃を返してきた。
はたして、この27歳という若造のくせに副連隊長兼大隊長 中佐という私は生きて、「彼」の目的を果たしうることができるのだろうか?
目の前で、もう50回近いトマホークとトマホークのぶつかり合う火花がまた散った・・・・
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