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少年少女の戦極時代・アフター
After19 前哨戦
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 この笑顔の光実を深く追及してはいけない。1年半に渡る付き合いから、戒斗は相槌を打つのみに留めた。

「それならさっき俺たちも見たぞ。特に手は出さなかったが」
「え!? そんな。そうと聞いたら黙ってられません。ちょっと壊しに行ってきます」

 光実は戦極ドライバー片手に回れ右。慌てて舞が止めている。

「さっきみたいに近くに住んでる動物たち驚かせたらどうするの」
「ごめんなさい……」

 飼い主に怒られる犬。まさにそんな光景だった。

(どいつもこいつも付き合いきれん)

 戒斗は無言で踵を返して元来た道を歩き出した。

 ここで舞と光実の言い合いを聞いているくらいなら、自分があの砲台に戻って破壊したほうが、話が早いと思ったからだ。






 戒斗がいつのまにかレーザーの砲台を壊して戻って来てからは、光実と舞も加え、咲たちは4人で大樹を目指した。

「わあっ」
「すごい――」

 辿り着いたのは一面見渡す限りの澄んだ湖。
 湖の中心に、水に根を張るように、色とりどりの花を咲かせる大樹が生えていた。

 咲は人生でこれほどに神秘的な風景を見たことがない。

「ここにあたしたちが閉じ込められた場所に通じるクラックがあるの。ここから入れる次元の狭間に、紘汰とあたしの本体がある」
「中から破ることはできないんですか?」
「何度も試したけど、肉体ごとはだめだった。だから入る時は、必ず外に一人でもいて、タイミングを合わせて外からクラックを開いてもらわないといけない」
「中に入る人と外で待つ人とで別れなきゃいけないのね」

 舞は首肯した。

「なら話は早い。咲。光実。次元の狭間にはお前らが入れ。俺の力で外からクラックを維持する」
「で、でもでも。あのロード・デュークとかオーバーマインドが来たら。戒斗くん一人じゃアブナイよっ」
「ならお前らでロード・デュークを足止めできるのか?」

 これには咲も光実も口を噤まされた。

「奴はオーバーマインドの中でもオーバーロード級だ。ならば同じオーバーロードの俺が残るのが一番いい。違うか?」
「……ちがわない」

 やるせない顔で俯く咲。

「気をつけてね、戒斗」
「分かってる。さっさと行って帰って来い」
「……やっぱり戒斗は変わらないわね」

 舞が掌を上げた先にクラックが開いた。

「ミッチ。咲ちゃん。変身して。この中は生身じゃキツイから」

 咲は光実ともども肯き、戦極ドライバーを装着し、ドラゴンフルーツとブドウの錠前を開錠した。

「「変身」」
《 ドラゴンフルーツアームズ  Bomb Voyage 》
《 ブドウアームズ  龍・砲・ハッハッハッ 》

 紅白と()(すい)の戦装
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