壊れた心〜
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し貫く。
「コウハ、次に離脱だ」
「・・・ああ」
一段落ついた時に俺達はその場から撤退する。
「・・・レベル・・・上がったか」
俺は自身のステータスを見てそう呟く。ここは現在、最も経験値を稼ぐのに最適な場所。攻撃力はあるが、HPと防御が低い上に大量に出現するので、高威力のソードスキルを持っていれば大量に経験値が稼げる。
「・・・あと少しか・・・キリト、俺はまた行くからな」
「あ・・・コウハ・・・」
「・・・何だよ」
「・・・いや・・・何でも、ない」
キリトとはあれから気まずくなる一方だった。今回一緒なのは偶々狩場が重なり、一人づつやると時間がかかるので、二人がかりでやる事になった。パーティーは組んでないので、自分が倒した分の経験値はそのまま入る。
「・・・よっ、亮。・・・いや、今はコウハか」
「サキか・・・」
キリトと別れた直後に男・・・サキが現れた。
「随分と熱心なレベル上げだな。・・・何日寝てない?」
「・・・今日で三日になるな」
それを聞いてサキが溜め息を吐く。
「・・・この世界は今までと違う。俺達は今まで意地や根性で死地を潜り抜けてきた。普通なら動けなくなる傷を受けようと立ち上がってきた。・・・けどこの世界じゃそれは通用しない。一度でも体力がゼロになれば死ぬだけしか・・・」
「命がけなのは今までと変わらないだろ。いいから並ばないなら退けよ、邪魔だから」
「・・・ったく、普段突っ走る時の俺はこんな感じなんかねぇ」
『近いものがあるッスね』
「・・・なんか泣けるな。つかコウハ・・・お前がそこまでレベル上げに拘るのは・・・“背教者ニコラス”か?」
「っ!」
俺が僅かに反応したのを確認したサキは続けて言う。
「・・・死者蘇生アイテム。・・・けど、そんなのこのゲームが普通のお遊びだった時の名残だろ。今は死んだら数十秒で脳が焼ききられて死ぬ・・・だろ?」
「・・・そんなの分からないだろ。少なくとも、それを確認した奴はいない」
「・・・お前、そこまでバカだとは思わなかったぜ。死者は帰って来るわけが・・・」
「うるせぇよ。お前に何が分かる。また・・・また目の前で助けられなかったんだぞ・・・!?」
「だからってそれを後悔してたら何にもならないだろって言ってんだよ」
「・・・ちっ・・・お前と話すだけ時間の無駄だ。さっさとそこを退け」
「おい・・・!」
サキが俺の前に立ち塞がる。
「悪いけどな、亞莎から無理させんなって頼まれてんだ。意地でも通さねぇぜ」
・・・亞莎にはサチを看てもらっている。・・・なるほど、ここにサキがいるのは亞莎の差し金か。
「コウハ・・・もう自
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