壊れた心〜
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ました」
宿屋にサチを運び込んだ亞莎が言う。
「・・・サチは?」
亞莎は首を横に振る。
「・・・あの目に、見覚えがあります。覚えていますか?亮さんが真似能力を酷使して、自らを失った時の事を・・・」
「・・・それって・・・サチの心は・・・“壊れた”ってことか?」
「・・・多分、そうです。目の前でお友達があんなことになってしまったんです。・・・それで耐えられる精神を持つ方はそういません」
「・・・ああ」
明命達が消えた時。俺も消えてしまいたいと思ったことがある。けど俺にはまだ蓮華や呉のみんながいた。けれどもサチは・・・部活仲間を、大切な友達が死ぬ場面を目の前で見てしまった。・・・普通の女の子がそれに耐えられる訳がないのだ。
「・・・りょ、亮・・・」
顔を上げるとキリトがそこにいた。俺はほぼ無意識に口を動かしていた。
「・・・嘘、ついてたんだな」
「・・・!」
「最初に聞いたよな?何か隠してないかって。それに見たんだよ。フィールドを捜しに行くって言ったキリトが水路に入っていくのを。多分、それなりに上級なスキルでサチを見つけたんだよね」
「そ、それは・・・」
「答えろよ・・・!」
「・・・」
俺から目を逸らしたキリトの胸ぐらを掴む。
「答えろって言ってるんだよ!」
「りょ、亮さん!止めてください!」
「うるさい・・・!黙ってろ!」
「っ・・・亮、さん・・・」
「どうなんだ・・・どうなんだよ!」
「・・・お前の言う通りだ・・・本当は俺は攻略組で・・・それに、あの区域の宝箱にはトラップが仕掛けられている確率が高いのも知っていた・・・」
「・・・っ!」
ガン!
気がつけば俺はキリトを殴っていた。犯罪防止コードが働く圏内なので、拳は途中で不可視の障壁に止められるが、多少の衝撃が抜けるのでキリトは少し仰け反る。
「知ってた・・・?知ってて宝箱を開けるのを止めなかったのかよ!?」
「止めようとした!けど・・・!」
「言い訳するな!この・・・この卑怯者!」
ガンッ!
「・・・っ!」
顔に衝撃が走り、キリトが殴ってきたのだと分かった。
「俺だって好きで黙ってた訳じゃない!!ただ・・・怖かったんだ・・・!彼らが俺をビーターと蔑むのを・・・」
「そんなの・・・分からなかったじゃないか!」
「分かりきってる!・・・現にケイタは俺を・・・!」
「そんなのずっと騙してたからだろうが!」
「じゃあお前なら言えたのか!?」
俺とキリトがお互いに殴りかかろうとした時・・・煌めく剣に吹き飛ばされた。
「がっ・・・」
「ぐっ・・・」
「・・・アンタら、
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