壊れた心〜
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
・こんなのないよ・・・!」
「サチ・・・まだ、まだケイタがいる。・・・立てる?」
サチは首を横に振る。俺は立ち上がり・・・キリトを見た。
「あ・・・コウ、ハ・・・」
「・・・先に行ってケイタに報せておいて、“キリト”」
「・・・あ、あぁ・・・」
キリトはこの場から逃げるように立ち去る。
「亞莎、詠、護衛頼めるか?」
「もちろんです」
「・・・断れるわけないでしょ」
サチが落ち着くのを待ってから俺達は街に戻る。
「ケイタは・・・」
「あ・・・あそこ」
サチが指差す方向を見ると、外周の近くでケイタとキリトを見つけた。・・・そして二人に近付いた時・・・ケイタの声が聞こえた。
「・・・ビーターのおまえが、僕達に関わる資格なんてなかったんだ」
そうケイタは言って外周の柵の上に上がる。
「ま、待てケイタ!全員が死んだ訳じゃ・・・」
「ケイタ・・・!」
サチが叫ぶ。・・・だが、その声は届かずに・・・
「ぁ・・・」
その姿が・・・消えた。
「・・・っ!」
俺はすぐに外周に駆け寄り、下を見るが・・・そこに、ケイタの姿はなかった。
「・・・俺がビーターだって話して・・・メンバーがトラップに掛かってしまったことを言った時に・・・」
キリトが俺の隣でそう言う。
「・・・嘘・・・ケイタ・・・?」
サチがその場に崩れ落ちてしまう。
「サチ・・・」
「飛び降り・・・死、死んじゃった・・・みんな・・・みんな・・・あ、あぁぁぁ・・・!」
サチは頭を抱え、何か呟き・・・
「嫌・・・嫌ァァァァァァァァッ!!!」
「・・・っ・・・」
耳を塞ぎたくなるような悲鳴。亞莎や詠がサチを落ち着かせようとした時・・・まるでスイッチを切ったかのようにサチの悲鳴が止まった。
「サ・・・チ?」
俺は恐る恐る近づき、話しかけるが反応がない。
「サチ?・・・サチ!サ・・・っ!?」
肩を揺らし、その勢いで首がガクンと上がり、目と目があい・・・絶句した。
「・・・」
「サ、チ・・・?」
「・・・」
死人の目。例えるなら人形のような・・・その瞳からは何の感情も読み取る事が出来なかった。
「おい・・・サチ、しっかりしろ。返事をしてくれ・・・なあ・・・」
「・・・」
「亮さん・・・」
俺は物分かりの悪い子供のように、しばらくの間、何度もサチの名を呼び続けた・・・
「・・・一応、寝かせてき
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ