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真似と開閉と世界旅行
壊れた心〜
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迫り来るモンスターに対応出来ない。モンスターが槍を構え・・・

「ダメ、コウハ!」

・・・サチが俺とモンスターの間に割り込む。・・・その瞬間だった。

『・・・亮』

フラッシュバック。共に世界を駆け抜けた・・・黒髪の少女。

「明・・・命・・・」

彼女は自分を庇い・・・自らその命を散らした。

『・・・リョウ』

家族同然の紫髪の少女。自分達家族を助ける為に自らを犠牲にした。


「コウハ・・・」

そして今、また自分のせいで一人の命が消えそうになる。

「明命も・・・ソフィも・・・それで今度はサチか・・・?ふざけんな・・・届け・・・届けぇぇぇぇ!!」

俺は必死に手を伸ばす。そしてサチを無理矢理引き戻し、モンスターの槍を身を捻ってかわす。

「亮!受けとりなさい!」

少女・・・詠から投げられた手甲、葬解を受け取り、メニューから素早く装備を整え、葬解を装着する。

「呼びなさい!アンタが助けたアイツの名を!」


『亮さん・・・私を・・・!』

「・・・来い」

俺が呟くと葬解が輝きだす。

「来い!亞莎ェェェ!!」

光が放たれ、その光が人を形作り・・・

「呂子明、参ります!」


光より現れた亞莎の拳がモンスターを粉砕する。


「亮さん、下がっていてください!」

「今のアンタじゃ足手まといよ!」


俺はサチを守るように壁際に近寄る。・・・その僅か数分後には、大量にいたモンスターは姿を消していた・・・










「・・・亮さん!大丈夫ですか!?」

「・・・亞莎・・・」

「記憶、戻ったんですね」

「まだ頭の中ぐちゃぐちゃだけどね・・・けどどうやって・・・」

「この世界の傍観者さんと紫さんの力で、私達は“データ”として活動できるようになりました」

「ここのプログラムからしたら、ボク達はモンスターやNPCと大差ないのよ」

「そうなのか・・・ところで、どうして詠が・・・?」

「・・・咲に頼まれたのよ。アンタの監視をしろって」

「咲が・・・?」

「咲はゲームが始まって数週間で記憶を取り戻したわ。そのタイミングでボクは傍観者達の力でドロップアイテムの中に潜んだの。葬解も咲がドロップした物よ」

「・・・時間、掛かったんだな・・・」

「・・・ねぇ、コウハ・・・」

背後の声に振り替えると、サチがその場に座り込んでいた。

「みんなは・・・みんなはどうしたの・・・」

「・・・」

・・・ここにいるのは五人。つまりーーーー
俺の沈黙で察したのか、サチの肩が震える。

「どうして・・・どうしてなの・・・!なんで私だけ・・・酷いよ・・
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