壊れた心〜
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・・・その日から、俺はサチに対してよそよそしくなった。今までやっていた特訓も止め、普段もサチとは距離を置いた。・・・これじゃ、現実とも大差がないと理解していても、サチの前に立つと上手く言葉が出ず、結局黙ってしまう。・・・そして夜な夜な、眠れないサチがキリトの部屋に行っている事も知っていた。少なくともサチはキリトに心を開いている。・・・だから、キリトに任せておけばいいと思っていた。・・・そんなある日、遂に目標額に達したのでケイタがギルドホームを買いに行った時、テツオの提案で家具を揃える為に金稼ぎをすることになった。・・・そこで稼ぎがいい迷宮区・・・最前線から僅か三層下の場所に行くことになった。レベル的には安全だったので、瞬く間に十分な額を稼ぎ、帰ろうとした時・・・メンバーの一人が小部屋の中の宝箱を見つけた。
「へへ、ラッキーラッキー」
だが俺は嫌な予感がしていた。何と言うか・・・ただ宝箱を置くだけにしては、部屋が広すぎる気がしたのだ。
「なあ・・・別にいいんじゃないか?それ位」
「ああ?なんでだよコウハ。もしかしたらすっげぇお宝かもしんないじゃん?」
「俺も・・・何となく嫌な予感がする」
キリトも言うがシーフ役のメンバーは聞く耳持たずに宝箱を開ける。・・・その時だった。
ビーー!!ビーー!!
「・・・アラームトラップ!」
キリトが焦りながら言う。すぐに数個あった部屋の入口からモンスターが押し寄せてくる。
「嘘だろ・・・!!」
「転移結晶を使えっ!」
キリトの声に反応してメンバーは転移結晶を取り出すが・・・
「て・・・転移できない!」
「まさか・・・クリスタル無効エリア!?」
そこで俺達は全員パニックに陥った。悲鳴、そして破砕音。誰かが死んだ。
「うわああああ!!」
俺は半ば無意識に戦っていた。その視界の隅で、見たこともないソードスキルを乱発するキリトを見つける。
「くそっ・・・くそぉぉぉ!!」
モンスターが武器を振り上げる。
「ーーーホント、世話が焼けるわね」
ズバァン!
「えーーー」
モンスターが消し飛び、その背後には眼鏡をかけ、サーベルを片手に持った少女がいた。
「はぁぁぁっ!」
少女はみるみる内にモンスターを斬り倒していき・・・
「・・・魔神剣!」
衝撃波が未だ鳴り続ける宝箱を粉砕した。
「誰・・・だ?」
「余所見してんじゃないわよ!」
「あ・・・っ!」
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