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木ノ葉の里の大食い少女
第一部
第三章 パステルカラーの風車が回る。
サスケ
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リーの姿が脳裏に移る。砂の盾すら追いつけない深緑の閃光が、脳裏に再現される。攻撃をすんでのところで止め、我愛羅を翻弄し、そして我愛羅が追いつけない内に苛烈な一撃を叩き落す。そんな彼の攻撃方式と、今のサスケの動きはよく似ていた。
 我愛羅の頬にサスケの拳が命中し、砂の鎧に皹が入った。吹っ飛ぶ我愛羅の視界で、サスケの姿がリーと重なる。砂が受け止めてくれたおかげでダメージは軽減出来たが、しかし心に受けた衝撃は大きかった。
 あのリーという男が錘を下す前とほぼ同じ速さ、そして彼と同じ体術のイメージ。その姿を睨み付ければ、端正な顔立ちの少年が挑発的に笑った。

「それが砂の鎧か? ――来い」

 ロック・リーと、同じ構えを取りながら。

「――来ないなら、こちらから行くッッ!!」

 猛スピードで一直線にこちらを駆けてくるその姿が風を巻き上げて視界から消えた。砂の盾で攻撃を防ごうとするが、サスケは更に速かった。我愛羅の後ろに回りこみ、己を捕まえようとする砂の間を掻い潜り、蹴りを食らわす。吹っ飛んだ我愛羅の体が地面を抉る。

「どーしたよ? そんなもんか?」

 小ばかにした笑み。それはサクラやいのと言った数々の少女たちを魅了してしまったのも無理はないというくらいに魅力的であった。
 我愛羅が這い上がる。猛然と走り出しながら、彼は言った。

「その鎧、剥ぎ取ってやる」

 ぐるぐると我愛羅の周りを駆ける。砂塵が巻き上がり、対する我愛羅も砂を空中に浮き上がらせた。砂の下を掻い潜り、素早い動きで蹴りを食らわし、その衣服を掴んでこちらに引き寄せ、その腹に膝蹴りを食らわす。

「ぐっ……!」

 そのスピードは錘を外したリーとほぼ同等だった。
 けれどリーは常時から錘をつけていて、そして錘をつけていながらも驚異的なスピードを持ち合わせており、しかしサスケの方は普段から錘をつけているわけではない――それ故これまでのスピードを出して戦うのは、体への負担が余りに大きかった。はあはあと荒い呼吸を繰り返すサスケを、睨み返す我愛羅の呼吸もまた荒く、双方共にダメージは受けているようだった。
 写輪眼のコピー忍術。たった数週間でリーの体術を使えるようになったのはそのお陰だ。しかも、上手くいった。我愛羅にはかなりのダメージを与えることが出来たらしい。それに自分にはまだ切り札が残っていると、サスケは自分の左腕を掴んだ。

「……!?」

 ずっと静止したまま動かなかった我愛羅が、不意に印を組み合わせた。我愛羅を中心に、砂が球体を築いていく。サスケは走り出し、我愛羅の未だ砂に覆われていない僅かな部分を狙って拳を突き出す。が、それと同時に砂がそとに向かって尖った矛先を向けてきた。なんとかかわしたはいいものの、目元の下に攻撃を受けてしまった。血が
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