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ドリトル先生と二本尻尾の猫
第七幕その七
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「ご馳走ですね」
「そうだね」
 先生も笑顔で応えます、そのうえで。
 トミーにです、コロッケを見つつ言いました。
「それとコロッケで御飯を食べる」
「これもですよね」
「最高にいいですよね」
「うん、コロッケといえばね」
「あのフランス料理の」
「中がクリームのコロッケだね」
 このことは欧州、イギリスのことです。
「こうしたジャガイモが一杯中に入ったコロッケは」
「日本のコロッケですが」
「いや、これがね」
「食べるとですね」
「凄く美味しいね」
「御飯に合いますね」
「特にソースをかけると」
 先生は唸る様にして言いました。
「これがね」
「絶品ですね」
「コロッケ一個で御飯を何杯でも食べられる」
「そうですよね」
 本当に、とです。トミーはお箸でコロッケを切ってそのお箸でお口の中に入れて一緒に御飯を食べつつ先生に答えました。
「もう最高の美味しさですね」
「おかずで御飯を食べることは」
「日本の食べ方ですけれど」
「こんなに美味しいなんてね」
「想像していませんでしたね」
「しかもコロッケって欧州のものじゃない」
「そのはじまりは」
 所謂洋食です。
「それがこうして日本に入って」
「美味しいとはね」
「思いませんでしたね」
「本当にね」
「けれど日本人はね」
「この食べ方に辿り着きましたね」
「これは凄いことだよ」 
 とても、というのです。
「コロッケで御飯を食べるなんてね」
「そうですね、確かに」
「ハンバーグもそうだけれどね」
「凄く美味しいですね」
「全くだよ」
「僕も大好きです」
 トミーもこう言うのでした。
「洋食、コロッケやハンバーグで御飯を食べることが」
「フライもだね」
「そちらもいいですよね」
「欧州だとこうはいかないね」
「主食は主食ですから」
 つまりパンやジャガイモはそれはそれだけでなのです。
「おかず、メインディッシュで食べることは」
「ありませんね」
「そう、ないよ」
 欧州の食事ではです。
「そうしたことは。けれど」
「日本はメインディッシュで主食を食べますから」
「そうした食べ方になるんだよ」 
 まさにそれで、というのです。
「そうなるんだよ」
「そうですね」
「いや、それがこんなに美味しい食事の元になるから」
「嬉しいですね」
「本当にね。そういえば」
 ここでまた言う先生でした。
「僕達今はパンよりもね」
「御飯の方を食べていますね」
「そう、晩はもういつもだし」
 御飯を食べているのです。
「お昼だってね」
「御飯を召し上がられることがですか」
「凄く多くなったね」
「定食や丼もですね」
「うん、多くなったよ」
 そうなったというのです。
「とてもね」

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