第十四話
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ならば何でも付与することが出来るのだ。
更にこの魔法は魔力を無効化にするという概念を叩きつける魔法だから、どんなに魔法を撃ち込まれようが解除されることはなく、私の意志でしか着脱できない。この内容の優秀さゆえに本来の詠唱式はとんでもなく長いけど、発展アビリティ【詠唱省略】のお陰で速効魔法として機能する。
この魔法の最大の脅威は、対象に魔力を無効化する魔法をあえて付与してやることで、逆に対象の魔法を事前に封じ込めることが出来るという点だ。敵に気付かれないように体表すれすれの部分に衣を纏わせることによって、今のヘルハウンドのように発動できもしない魔法を使おうとするという無駄な動作を引き出すことが出来るのだ。
もちろんモンスターに限った話でなく、冒険者にも作用する。だから万が一冒険者と戦うことになっても速攻で【ファンファルレーゼ】を仕掛けてやれば、その時点で魔道師は戦闘力を失うし、普通の冒険者でも魔法を主力にする者や魔法で力を助長させる者もいるだろうから一手に封じることが出来る。加えて特装武装スペリオルズと呼ばれる特殊効果を纏った武具の効果すらも封じ込むから使い勝手良すぎである。
まあ、この魔法のせいで前世の私は特装武装とか魔剣とか一切装備できなかったんだけどね。詠唱式の長さゆえに消費精神力が抑えられていたところを省略できちゃったからダンジョンに潜った時はポンポン使ってたけどね。
ダンジョンから帰ってきたときに解除するの忘れて発動したまま魔道書に触れて効果をパァにしたことがあったけど、それはさておき。
戦闘は滞りなく全勝し続けているものの、ステイタスの恩恵が薄い私はナチュルと違い体力が少ない。だから所々休憩しながらの移動になりかなり時間をロスしつつも無事に十七階層に到着した。
岩窟は段々とその規模を広め、何十人もの集団が通れるくらい開放的な作りになっていた。天井も高く、松明のように揺れる燐光が光の粒にしか見えない。道が広くなる方向へ進んでいけば、十七階層最深部の大広間に到達する、のだが。
「あの、ナチュルさん」
「ん? どうかした?」
「十七階層の主……たしか《ゴライアス》というモンスターがいたと思うんですけど……」
「あぁ、それなら心配いらない。少し前に街の連中が通行の邪魔になるってことで一回駆除したらしいから、少なくとも一週間は出現しないわよ」
ほっ、とため息をつく。階層の主もとい迷宮の弧王は名前の通り、他のモンスターとは比べのものにならないほどの戦闘力を有しており、複数集団戦で戦うのが通例だ。逆に返せば沢山の冒険者がいなければ倒せないほどのモンスターというわけだ。
で、この階層の主の名前がゴライアスという人型のモンスターだ。二週
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