第十二話
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て言ったけど、別にレイナちゃんから貰おうとは思ってないわよ」
「じゃあ、何で……?」
「さっき言ったでしょ? 武具の具合を聞くって」
……まさかこの人、自分の作品を使った意見を聞くためだけに賠償しろって吹っかけてきたのか……?
若干笑みが引き攣ったのを自覚しながらも固まっている私に、ヴェリルさんは嬉しそうに話す。
「私の薙刀が置いてあったところって店の一番奥だったのに、何でその人は他の武器じゃなくて私の薙刀を取ったのか気になってね。呼び出そうにも名前も解らないし、店のお触書を使って呼び出した方が手っ取り早いかなって」
何て気ままな人なんだ……。その手っ取り早い方法で私の心臓がどれだけ圧迫されたか解ってるのかヴェリルさん……!?
でもまぁ、何がともあれ賠償の話が無くなったのはうれしいことだ。さっきも言ったけど、値段がとんでもなかったからなぁ……。もしかしてあの値段も相談しに来ることを予想して吹っかけた、とか言わないよね……?
「レイナちゃんだっけ? 薙刀についてこんなに語れる人は中々いないよ、気に入ったわ。さすがに専属鍛冶師にはならないけど、気が向いたら何か打ってあげる」
「ほ、本当ですか!? でも、上級鍛冶師の武器って……」
「もちろんただじゃないわよ。それなりに対価を貰う。あぁ、そうね、今回の賠償の件を無くす代わりに冒険者依頼クエスト出そうかしら」
このとき、私は思った。
「二十階層くらいにある鉱石、まとめて採ってきて」
この人、神様並みに奔放だ、と。
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