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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第十一話
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かいなかったことが幸いしてかランクはA止まりで団員に回す資金が浮く分何の苦労もしなかったけどね。
 そう聞くとアイズは微笑みを湛えて言った。

「暇が出来るように頑張る」
「さすがにそこまでしてまで手伝ってもらうのは悪いよ……」

 言うて彼女の好意の気持ちだけ受け取るなんて余裕をぶっこいていられる状況じゃないけど、やっぱり人として……ねぇ? それにアイズとの付き合いは一日にも満たないんだし、そこまでされるのは色々と辛い。
 私が言いあぐねていると、笑みを少し深めて返した。

「気にしないで。レイナに興味があるだけだから」
「う、ん? 答えになってるのか解らないけど、まあ本当に暇になったときはお願いします」

 意味深な返答をしたアイズに首を傾げる私だったが、一応万が一のときの対策を立てられて心底安堵する。
 大通りを荒らしていたトロールが消えたことを悟ったのか、ちらほらと野次馬根性を持った住民たちが戻ってき始めた。

 人に集れるのを避けたいのかアイズは戻ってきた住民を見たらすくっと立ち上がって、よかったらファミリアのホームに遊びに来てと言い置いて足早に去っていった。
 一連の騒動を引き起こした元凶に絶対借金を擦り付けてやると覚悟を決めた私も人目のつかない路地裏を通って後にした。
 もちろん薙刀は店の中に戻しました。

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