第九話
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早速ダンジョンに到着! 意気揚々とちょっとだけ性能が上がった槍─レンタルの武器でお金が少し掛かる─を意気揚々と肩に担いで歩いている私です。
一応これでギルドに支給される武器を使うのは三回目なんだけど、武器を返すときに受付のおじさんが眉を顰めるんだよね。んでさっきなんか「また来たかコイツ」みたいな顔をされました。
一体何のことだと思ったけど、借りた武器が全く損傷していなかったら、そりゃ訝しみますよね。私の発展アビリティ【不朽】のお陰でどんなに武器を酷使しようと絶対に刃毀れしないという、長時間ダンジョンに潜るときには超便利なアビリティがあるから損傷しないのは当然。
ちなみにこの【不朽】というアビリティ、詳しく言うと《不壊属性》を属性付与エンチャントする訳じゃなくて、『絶対に刃毀れしない』という概念を纏わせるもの。不壊属性の場合は確かに絶対壊れないけど刃毀れはしっかりするし副次的に威力の低下もしてメンテナンスを受ける必要があるけど、【不朽】の場合は刃毀れ自体しないから永遠と切れ味も落ちないし威力も落ちない、更にランクが上がれば不壊属性と同じように絶対壊れなくなる。今はまだランクはIだから乱暴に使うと柄とかが壊れるから注意だ。
さて、そんな訳で鏃にだけ負担を掛ければ全く問題ないという暴論を叩きつけつつ、遭遇したモンスターの魔石を片っ端から引っこ抜いていく。うん、調子は問題ないね。まあ【ロキ・ファミリア】の宴を挟んだだけで、それの直前まで引っこ抜いてたから当たり前っちゃ当たり前だ。
ぽきゅんと爽快な音を鳴らしながらおぞましい造形をするモンスターの背中から石が飛び出す光景はシュール極まりないけど、気にせずに全滅させていく。
引っこ抜いた魔石を拾っては背に背負っている特大サイズのバックに放り込んで、再び遭遇すれば引っこ抜くという、もはや一種の作業みたいになってしまっている。
うーん、【撥水】をし続ければ基本アビリティの力と器用が伸びやすいから助かるんだけど、出会った瞬間に有無を言わさず引っこ抜いてるせいで耐久が全く上がらないんだよね……。耐久のあげ方はモンスターから攻撃を受けることなんだけど、ミノタウロスの突進を【水連】で受け流したから多少は上がるかと期待してたが、ものの見事に裏切られた。単純に試行回数が足りてなかったのか、はたまた実質ダメージ無しと判断されて経験値を貰えなかったのかよく解っていない。
今更だけど【撥水】をするときは周りを確認してからしてます。リリに見られてるからあんまり意味ない気もするけど、念のため秘匿ということで。あと初級装備の駆け出し冒険者が魔石を次々と弾き出しているという怪奇現象は、他の冒険者たちの心臓に悪い絵面だからね。
調子も確かめつつより効率性を模索しながら階層を順調
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