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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第六話
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も資金を調達せざるを得なくなる。

 そんなメンバーの一員であるリリルカなのだが、先述の通り彼女には金を集められるチャンスは悉く少ない。サポーターとして仕事をしようにも小人族という容姿に加え女という性別的に嘲弄の的にされがちのためろくに仕事にありつけないし、やっとの思いで得た仕事も上記の理由で明らかに割に合わない報酬で終わらせられたり、最悪報酬すら貰えないこともある。

 資金を調達しようにも出来ない環境に置かれるリリルカに残された道は、他人から金を奪うくらいしかないのだ。
 しかし、何もリリルカは何の非もない一般人から奪い取ろうという気はない。ターゲットは冒険者だ。

 奴らはサポーターのことを何も解っていない。解ろうとするどころか、まるで奴隷のように扱ってくる。そんな奴らが意気揚々と街中を歩いている姿を見るだけで憎悪の念が芽生える。 
 リリたちサポーターから金やプライドすら巻き上げる冒険者は、嫌いだ。リリたちから金を巻き上げるのなら、リリたちが金を巻き上げても文句を言えまい。

 それが、リリルカの心情だった。詰まるところ、路地裏を散策しているのは怪物祭当日の際、人ごみに紛れて冒険者たちにスリを仕掛け、捕まらないように逃げおおせるための逃走ルートの確保をしているためだ。

 彼女はサポーターとしての能力はかなり優秀だ。元々まじめな彼女はサポーターとしての仕事を果たすために、数十年前に廃校された冒険者指導施設の補佐科にて交付されていた参考書を手に入れ、それを熟読している。探すのに手間取ったが、某路地裏にこじんまりと開いている書店にて見つけられた。
 その参考書は生きる伝説と呼ばれた冒険者直々に調査をし、収集した情報をまとめた物である。その範囲は非常に広く、一階層から五十階層までのモンスター分布を始め各階層のマッピング、更には採取できる物資の一覧すら載せてある。これほど価値のある情報を無料で提供した伝説の冒険者に畏敬の念を抱かざるを得ないリリルカだ。

 生ける伝説クレア・パールス。リリルカが唯一冒険者として認めながらも、大嫌いな冒険者の名前だ。

 彼女は凡才にも関わらず絶え間ない努力によって実力を得て、更に他の冒険者たちのために様々な手配を無償で行った大英雄だ。
 彼女が手がけた参考書の一番最後のページに、彼女が述べた言葉が綴られていた。

『運命のせいにするな。結果を得られないのは自分の努力不足だ。運命を呪う暇があるなら、まずは努力をしろ』

 金言名句というやつだ。彼女の経歴を遡れば、この言葉にどれほどの意が込められているのか解る。
 だが、リリルカは同時にこうも思っている。

 それはあなたの運が良かったからでしょう?

 クレア・パールスが冒険者になるきっかけは、彼女の故郷と家族が事故で消さ
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