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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第五話
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 うーん、他の冒険者たちみたいに同じ様に親しい仲ではナチュラルに、上級や中級冒険者たちにはしっかりとした尊敬語を使った方が良いのかな? でも意外と尊敬語とか使ってた冒険者いなかったからなー。大抵道を譲るか歩く姿を指をくわえて眺めるだけだから、そもそも会話をするチャンスが少なかったのもあるか。それに私、そんな器用じゃないからさっきみたいに素がポロリと出そう。……私のことだから絶対しくじるな、うん。

 仕方ない。ここは心機一転と考えて常にですます調で喋っていくとしよう。丁度レイナの年齢が十三歳なのも幸いして違和感なさそうだし、公私の使い分けもしないで済む。ただ問題がそれが定着するまでにどれくらい時間が掛かるかなんだよね……。まさか口調を変える努力をすることになるとは。まあセレーネ様と出会い始めた当初も似たような悩みを持ったし、当時を振り返ってみれば良いかもね。

 よし! 初めてこの体でダンジョンに入ったら、立て続けにとんでもないハプニングが続いたけど、これって何かを暗示してるわけじゃないよね! レイナ・シュワルツ、今日から精一杯頑張ります!

「……あ」

 しまった、魔石回収するの、忘れてた……。

 意気揚々とダンジョンから出ようと思った矢先にUターンして、今日を凌ぐための宿代と食事代を稼ぐべく第一階層をしばらく奔走したのであった。

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