第四話
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う一度おでこを下向きに押してやると簡単に空に舞わせることが出来る。それが今のミノタウロスお空散歩事件の正体だ。
でも誰も見て無くてよかった……。言っちゃアレだけど、見た目十三歳の女の子が使えるような技じゃないからね……。変な噂とか流されたら色々と厄介だ。ばれないことに越したことは無い。
よし、ミノタウロス君も背中からどしんと綺麗に着地したことだし、私はその隙にさっさと逃げよっと!
『ウウウウウウヴォオオオオオ!!!』
「ちょ、立ち直るの早!?」
忘れてた、前世の私は化け物ステイタスがあったから素手の攻撃でもモンスターに有効だったけど、今の私にはそのステイタスはからっきし無い。ミノタウロスにとっては地表2mから落ちただけだ。そりゃダメージ無いわ。
ていうか、それじゃあ私はいつまでコイツと追いかけっこしないといけないの!? 【自然治癒】があるとは言え、そこまでハイペースに回復するわけじゃないから今の【水連】だけで怠惰感が凄いんだけど……。めっちゃ集中したから余計に疲れてるし……ペース配分間違えてるよ、絶対。
さすがに十五階層まで連れて行ける余力は無いぞ……せいぜい五階層か六階層、その辺りでたまたま帰投中の上級か中級冒険者に助けてもらうっていう選択肢くらいしかない。私とミノタウロスの足の速さの比はさっきの通り、向こうに部があるせいで撒くことすらできない。このときばかりは前世のステイタスが欲しくなる……。
とにかく諦める訳にはいかない! 私はセレーネ様に会うまで死ぬわけにはいかないんだ! うおおお! それだけで活力が漲ってきたぞ! 全力逃避行だ!
◆
なんか、階段下りた目の前から真っ白な髪に真っ赤な目をした兎のような印象を受ける少年が、私の鏡写しみたいな感じで必死の形相で逃げてきてるんだけど。
「私と同類だ!! 一緒に逃げよう!!」
「ほげええええええええええええええええええ!!??」
『『ウヴォオオオオオオオオ!!』』
絶叫咆哮大合唱。私を先頭に兎の少年、肩を並べて仲良く追いかけてくるミノタウロス二頭。何だこのカオスな絵面は。ちょっと傍観者になって見てみたい。
アホなことを考えてないとやってられない状況で、少年は物凄いスピードで追い上げてきて私の隣に並んだ。
「キ、キミ!! 危ないから早く逃げて!!」
「現在進行形で逃げてる!!」
「違う! 僕があいつらを引き受けるから、キミは逃げて!」
ちょ、本気で言ってるのかい少年!? 言っちゃ悪いが少年、キミも私と同じLv.1の冒険者だろ、それは自殺にも等しい行為だよ!? というか、私がキミにミノタウロスを押し付けるためにこの階層に踏み込んだみたいになるじゃん! 絶対嫌だ!
「嫌だ! 私も一緒に逃げる!!」
「
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