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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っていた。
第二話
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と僕たちには想像も付かないような大きな夢を持ったんだろう。確かに、僕も母さんも出来れば反対だ。でも、子供の夢を育て導くのも親の役目だからね」
「そ、それじゃあ……」

 私が言葉を紡ぐ前にお父さんは「ただし」と語調を強めて言った。

「定期的に必ず連絡をよこしなさい。何をしているのか、どういう状況なのか、きちんと報告しなさい。もしすぐ帰ってこれないようならば、機を見つけてからでいい、一度家に帰ってきなさい。いいね?」
「お、お父さん……」
「それからきちんと自分の身は自分で守ること。僕とお母さんはレイナに付いて行けない。これからは君自身を君が責任を持って守るんだ。そして絶対に無事でいること。一生痕が付くような怪我でもしてみなさい、それ以降は二度と許さないからね」
「お父さん……!!」
「僕たちは心配で堪らないんだ。僕たちの大切な娘よ、気をつけて行くんだぞ」

 私は堪らずお父さんとお母さんに抱きついた。本当に心配で、本当なら行かせたくないのに、私の意志を尊重して許してくれた。今にも鼓動が早くなっているお父さんに、涙を落として私を抱きしめてくれるお母さん。

 私はこのことを、絶対に忘れない。



 たった一人の幼い愛娘が旅立った。最低限に荷物を持って離れていくその背中を見届けて、僕はなんとも言えない寂寥に苛まれた。隣で泣きじゃくる妻も然りだ。
 一般的な目で言えば僕ら夫婦はかなり早い歳で結婚をして、そして子供を授かった。名前はレイナ。子供を授かる前からずっと考えていたとっておきの名前だ。可愛らしく、凛々しく、賢く。そんな意味が詰め込まれた我侭な名前だ。
 
 レイナは生まれたときから変わった子だった。生まれて間もなくハイハイするようになったし、まだ立てないのに椅子によじ登るし、文字も教えてないのに本を開いて笑っていたり、あと夜中は全然泣かなかったし。とにかく凄く成長の早い子だった。
 それに僕の言う事も良く聞いてくれる。というか、僕が注意できたことってあんまりなかったような……。
 ともかく、とても優れた我が家の自慢の娘だ。

 そんな娘にも、少し気がかりがあった。それはレイナが頻繁に迷宮都市オラリオのことについて調べたり、時には僕に聞いたりすることだ。どこでそれを知ったのか解らないけど、どうやらオラリオに魅せられたらしい。
 それに良く鏡を使って自分の背中を覗いてたりしてた。妻のように白く綺麗で細い背には何も無いのに、レイナは鏡を見て嬉しそうに、そして懐かしそうに微笑んでいた。わが娘ながら大人びえた表情だったのを覚えてる。
 
 欠点らしい欠点を持っていないレイナだったから、そのことが妙に気になって妻に相談してみたところ、本当はオラリオに行ってみたいんじゃないかという話になった。
 まあ確かにオラ
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